• に機種変更。これまで使っていた iPhone 7 Plus は2019年3月購入なので、4年3か月使った。バッテリーを1回交換し、「はやぶさ2」帰還の取材時に興奮して落として画面が割れた状態で使っていた。最近、通話していてこちらの声が先方に届かず「もしもし?」「もしもし?」の言い合いになる症状が頻発していたので、思い切って買い替えてみた。端末が原因なのか分からないけど。

    しかし新品は高いので、例によって中古品を入手。ランクA、小さいスレあり、バッテリー94%、付属品全付きで\76,000だった。SIMを挿し替え、特に問題もなく使える。みおふぉんの無料オプションで5Gにも対応させた。7 Plusに比べて13 miniは高さで27mm、幅で13mmも小さく、重量も188g→140gと大幅に軽くなったが、画面は5.5インチ→5.4インチで対角線はほぼ同サイズという不思議。

    ホームボタンがなくなり、Touch IDからFace IDになったので、いろいろと新しい作法を覚えている。

    写真は特に何もしなくても相変わらずよく写る。カメラの焦点距離は35mm判換算で、iPhone 7 Plus は28/57mm相当、iPhone 13 mini は26/14mm相当とのこと。mini は標準・超広角だけで望遠がない。画素数が多いんだからもうデジタルズームかクロップでいいだろ、ということか。

    雲
    紫陽花
  • 恋文や交換日記が晒されていて、その生々しさをキモいと評する人もいるようだが、自分はあの文面の純粋さに感動した。与謝野晶子の『みだれ髪』にも匹敵する美しい文学だと思う。

    人間には理性と感情というか、社会性と愛欲というか、そういうのが両方とも必要で、前者だけでは機械に、後者だけでは獣になってしまい、どちらも人間ではなくなってしまう。いつの時代も、この両者の相剋が数多の芸術を生んできた。彼女の手紙を読んでキモいとしか思わない人は、後者が欠けているという意味で、それはそれで人間性を失ってしまっているのではないか。

  • 水着撮影会の件。結局、埼玉県公園施設協会による中止要請は「要請する法的根拠がないよ」という県のツッコミで撤回されたようだが、きっかけになった共産党議員団の圧力のかけ方がなんか雑くないか、と思った。

    都市公園法第1条には「この法律は、都市公園の設置及び管理に関する基準等を定めて、都市公園の健全な発達を図り、もつて公共の福祉の増進に資することを目的とする。」とあります。今回の興業が都市公園の目的にふさわしいものとは到底考えられません。

    県営公園での過激な「水着撮影会」の貸出中止を埼玉県に求める – 日本共産党埼玉県議会議員団

    都市公園法1条は、都市公園法という「法律の」目的を定めた条文であって、「都市公園の」目的を定めた条文ではない。この条文を根拠に「公園の目的」を語るのは論点がずれている。

    そもそも公園に「目的」が存在するとか、目的にそぐわない使用を禁じるというような考え方は、近代の自由権の思想と相容れない、かなりヤバい考え方でしょう。日本国憲法で、国民には集会の自由・言論の自由・表現の自由が保障されている(21条)。検閲は禁じられているし、職業選択の自由もある(22条)。「水着撮影会は猥褻だから公園を貸すな」「性の商品化は許さん」という主張はこういう自由権の侵害になっていないか、という点を、件の共産党議員たちはもう少し真面目に考えるべきでは。

    かつて明治憲法の下では、新聞紙条例・集会条例から新聞紙法・治安警察法・治安維持法に至るさまざまな治安立法が行われ、自由権は著しく制限されていた。これらの法律を根拠として共産党員も弾圧され、多くの人が殺された。こうした歴史があったからこそ、現憲法ではさまざまな自由権がいちいち明文で保障されているわけで、そのことに現代の日本共産党の連中がこれほど鈍感であるという事実は大変に情けなく、また皮肉でもある。

    この手の人たちは必ず「性の商品化ガー」と言うのだが、生きるために自分の性を売るしかない人もいれば、十分な選択肢がある中で自発的に性を売って生きがいとしている人もいて、そこには多様なスペクトラムがある。「性の商品化」を言う人たちは性を売る人と買う人の本当の背景や事実や意思には関心がない。「彼女たちは救うべきかわいそうな人々である」という物語だけを信じて、きわめて暴力的に「正論」を振りかざし、人の自由やビジネスを破壊して自己満足を得ている。世の中を捉える解像度が非常に粗い蛮族にしか見えない。

  • 月曜はたいていの床屋が休みなので、必然的にQB HOUSEになる。なんかさだまさしみたいな髪型になった。この歳になると、床屋で予測と違う髪型にされても全く気にならない。どうせ伸びるし。

    お茶とサンドイッチを買って河川敷で昼食。雨だが、屋根のある四阿で食べる。隣でおっさんが昼寝している。合羽を着た犬が散歩している。どこかの学生がトランペットを練習している音が遠くから聞こえる。ヒバリや何かの声に混じって季節外れのウグイスが鳴いている。この時季に鳴いているウグイスはまだ嫁を見つけられないオスだと聞いたことがある。時々、入間基地のC-2やC-130が上を飛んでうるさい。暑くもなく寒くもなく、人とやり取りをする必要もなく、いつも通り孤独で心地よい。

  • にて、ユニステラの電視観望望遠鏡「eVscope」のユーザーが昨年9月のNASAの実験機「DART」による小惑星衝突実験を共同観測した成果について書きました。よろしければご覧ください。

    https://honto.jp/netstore/pd-magazine_32515700.html

    「電視観望」(electronically assisted astronomy; EAA) とは最近流行っている天体観望のやり方で、望遠鏡を肉眼で覗くのではなく、接眼部にCMOSカメラなどを取り付けて天体像をリアルタイムで撮影・蓄積し、簡易的な画像強調などもリアルタイムでかけてPCやタブレット、スマートフォンなどの画面で画像を楽しむというもの。市街地では見えないような暗い星雲星団をそれっぽいカラーで、ライブ感をまあまあ損なわずに楽しめる。イメージセンサーやPC、モバイル端末の性能が劇的に向上したおかげでこういう手法が可能になった。

    で、電視観望専用のデジタル望遠鏡というのも最近は登場していて、ユニステラが出している「eVscope」シリーズもその一つ。口径11cmのニュートン反射だが、光路を斜鏡で外に出して覗く形ではなく、主焦点にイメージセンサーがあって天体を撮影する。撮った画像はWi-FiでPCやモバイル端末のアプリに送られ、それを鑑賞する。あるいは鏡筒に擬似的に取り付けられた接眼部で、中に組み込まれているEVFに映し出された画像を「覗いて」楽しむ。

    eVscopeは高い。ニコンと提携していてニコンダイレクトなどでも買えるが、30万〜50万円台である。

    https://shop.nikon-image.com/front/ProductBFA90000

    普通の口径10cm級の反射望遠鏡は、中国メーカーであれば架台込みで5-6万円でも買えるので、そういうのに比べるとすごく高い。

    https://www.syumitto.jp/SHOP/SW1410010002.html

    その価格差を補って余りあるユーザー体験としてユニステラが提供しているのが、eVscopeを使うと「市民科学」に簡単に参加できますよ、という付加価値。天体導入と撮影が自動化されているので、小惑星による恒星食とか系外惑星の観測とか、これまではアマチュアでも上級者しかできなかったような「科学としての観測天文学」が、アプリをポチポチするだけで楽しめる。観測結果も簡単にメーカーサイトにアップロードでき、メーカーと提携しているプロの天文学者が、集まった画像を解析して成果をまとめてくれる。重要な成果が出れば論文にもなる。今回のDARTの観測も、衝突された小惑星の光度変化などが世界中のeVscopeユーザーによって観測され、論文が「Nature」に載った。観測した各ユーザーがちゃんと論文の著者になっている。

    http://www.astroarts.co.jp/article/hl/a/12994_unistellar

    …というような話を、ユニステラのCEOや観測に参加したユーザーの方々に取材した記事になっております。

    天体が放射した光子を直接自分の網膜で受けるという部分に価値を見いだす人は「電視観望なんて」と言うかもしれないが、画面で見られるので一人ずつ覗かなくてもいいとか、自動でスタックされるので暗い星雲も写真に近いイメージで見えるとか、メリットもたくさんある。加えて、アマチュアにも本物の科学に貢献できるというのは楽しい。