• 2年前から母校の同窓会に会費を納めて会員になったのだが、先日届いた同窓会報によく分からないことが書いてあって驚いている。

    埼玉には県立高校に男子校・女子校がまだあり、我が母校(県立川越高校)も男子校。宮城・福島など、男女別学校があった他県が共学化したことなどもあり、埼玉県も共学化を検討しているのだが、これに県内の別学校の同窓会(の執行部)がなぜか反対している。

    そもそもだが、この問題に同窓会は発言権なくね? という疑問。今の高校をどうするかという話なのに、何の権利があってOBが口を挟むのかが分からない。「男女別学の文化と伝統が失われる」とか言っているのだが、それは単にじいさんの懐古趣味に過ぎない。現役生や教員の方々の意思とは全く無関係。

    で、「2月に川高同窓会も県教委に共学化反対の意見書を提出しました!」という報告が会報に載っていたのだが、我々同窓会員にはこんな話は初耳である。同窓会員の総意でも何でもない。同窓会総会は5月開催で、何かこの件を議案として提出して採決をとったわけでもないし、ネットや郵送で同窓会員全員から意見を聞いたわけでもない。上の方で勝手に反対と決めて、「弊会としては、…共学化に異を唱えるものである。」という主語で勝手に県に送ったようだ。「弊会会長としては、」でも「弊会有志としては、」でもない。これはまずいだろうし、個人的にも不快。

    同窓会事務局に、「会員全員の意見を聞いたわけでもないですよね?」という確認と、「こういうことをするんなら退会したいし、終身会費も返金して欲しいので退会・返金の手続きについて教えて欲しい」と問い合わせたが、まだ返事はない。(会則には退会・返金に関する規定はない。)

    個人的には、さっさと共学にすればよいと思う。女子がいる方が高校生活楽しいに決まってるだろ、というのが最大の理由だが、もう少し真面目なことを言えば、10代のうちに異性に対して一度ちゃんと「幻滅」しておいた方が後の人生のために良いと思うから。

    思春期にはどうしても、実態とかけ離れた異性像を構築してしまいがち。女って別に、そんな神聖なものでも可愛いだけのものでもないぜ、普通にずるいし残酷だし、いいやつも悪いやつもいるし、それは男も女も変わらん、そういう人間と一緒にやっていくのが社会であり、そういう人間と一緒に暮らすのが結婚や家庭なんだよ、というイメージを若いうちに体感して理解しておくことが大事だろうと思う。高校3年間隔離されて、その先の大学や職場で初めて生身の異性に出会うと、やっぱりそのへんの「幻滅」が足りてないせいでいろいろうまくいかない傾向がある、と自分は思っている。(便宜的にヘテロセクシャルの前提で書いたが、そのへんが気になるなら「異性像」→「他者像」と適宜読み替えてもらえばよい。)

    まあこれも自分の個人的意見で、卒業生だからといってこの意見を母校の共学化に際して参考にしてもらおうとは思わない。俺は現役生の保護者ですらないし。

    元々は、なんか仕事につながるかなぁという実利的な動機で同窓会に入ったのだが、こういうことがあって大変後悔している。

    母校の同窓会は元々は年会費制だったと記憶しているが、最近の卒業生の加入率が一向に上がらないせいか、数年前から「入会金5,000円、会費5,000円を支払えば終身会員になる」という形に変わった。ただ、やっていることは卒業生同士の親睦活動ばかりで、母校にはろくにリソースを還元していない。年間の予算は1,600万円で、約半分の700万円は毎年繰越金にしているので実質の予算額は年間900万円という規模だが、母校の支援活動には40万円(!)しか使っていない。桁が1個違わねぇか。年1回の会報の発行費が400万、よく分からない植林した森林の維持費が140万、事務局の事務費が220万。やっていることは卒業生のじいさん同士の名刺交換会、句会、植林、ハイキング、みたいな感じ。クソである。しかも、2011年度の卒業生からは入会金+終身会費が20,000円に値上げされている。なかなかのひどさ。今どき誰が入るんだ、こんな団体(俺は知らずに入っちゃったけど)。

    こんな人たちが、一体どんな権利があって「共学化反対」とか口を挟んでるんだろう、という。悲しさしかない。

  • なかなか頑張っている。

    少し不思議なのは、これまで2回の越夜では、夜が明けて昼を迎えて月面での夕方くらいの太陽高度になってようやく電源が入るという感じだったのに、今回はかなり太陽高度が高い段階で再起動した点。起動した23日夜というのが具体的に何時なのか不明だが、仮に24時だとしても太陽高度は60度以上ある。何が変わったのか謎。カメラの写野に変化はないようなので、月面に逆立ちしているSLIMの傾きが変わったとかではないっぽい。

    過去の月着陸機が月面でどのくらい生存したのかという情報をまとめて見られるところが見つからなかったので、Wikipedia 英語版で調べてみた。以下がそのランキング。硬着陸で壊れたようなものは除き、月面到達後にわずかでも通信が確立した宇宙機はこれですべて。

    SLIMは4/24で96日ということで、おそらく今回の活動中(〜29日朝まで)にサーベイヤー5号の記録を抜いて歴代8位になる。さらにあと2回越夜に成功すれば、+60日ということでルノホート2号も超える。

    中国の探査機はあまり情報がオープンでないが、一応 Wikipedia の記述を信じれば、嫦娥3号、4号+玉兎2号は現在も運用中となっている。嫦娥3号に至っては10年以上動いている。

    中国の探査機とソ連のルノホートは、放射性同位元素の崩壊熱を利用したヒーター (RHU) を搭載しているため、夜の期間も保温できる仕様になっている。嫦娥の RHU は30年もつという話もある。サーベイヤーは RHU 非搭載だったようだ。それで219日ももったサーベイヤー1号は凄い。電子回路が微細化される前の時代なので丈夫だったのかもしれない。そう考えると、越夜用の機能なしでここまで生き続けているSLIMも凄い。

  • 母の白内障が急に進んでよく見えなくなったということで、先月に眼内レンズを入れる手術を行った。やったのは特に悪い片方だけ。

    手術した直後から効果が表れる人もいるようだが、母の場合は最初あまり視力が回復せず、「手術してもこんなもんか…?」と本人も俺も少し不安だった。しかし、術後に処方された点眼薬の治療をひたすら続けたところ、2〜3週間経つ頃から「テレビが異常に綺麗に見える」と言うようになり、術前にほぼ見えないと言っていた視力が1.0まで回復した。手術の傷が治って眼球が光学系として理想の状態に近づいたとか、入力信号の変化に脳が慣れて、適切に情報処理できるようになるといった要因があるのかもしれない。一安心。

    最近では家の中のカビや埃が目に付くようになったと言って、風呂場をピカピカに掃除したりしている。若い頃は綺麗好きだった母だが、近年は掃除の行き届かない場所があっても気づかないようになっていて、気づいた所は俺が掃除したりしていた。(衰えを自覚させるようなことを伝えるとやはり落ち込むので、最近は特に言わないようにしている。)

    白内障手術をすると、軽い認知機能の低下であれば改善するという研究もある。

    母と同年代の親戚や近所の方々も、話を聞いてみるとほぼ全員が眼内レンズ手術の経験があるようである。祖父母の世代では放っておくしかなかった病気だが、親の世代は医療技術の進歩のおかげで確実にQOLが改善している。保険適用でこういう医療を受けられるようになったのは素晴らしい。

  • 栗です。

    IUT の話を書いたら、ふだんの5倍くらいのアクセスがあって、やはり今でも関心は高いらしい。特に米国・ドイツ・インド・英国・オーストラリアあたりの海外からアクセスが増えている。こないだ書いたものは主に国内向けの情報だが、時間があれば英訳も投稿するかも。

    IUT の問題を以前から批判的に取り上げている TARO-NISHINO さんのブログも3月末に更新されていた(その後の追記もあり)。Quanta Magazine の記事の和訳、Joshi の論文に対する望月氏の反応や、川上量生氏の賞の件など。

    IUT に関する批判の声が国内であまりにも少ないので、自分の感覚がおかしいのだろうかと不安になることがあるが、こういうものを読むと、やはり変なのは自分の方ではないよね、と安心する。

    国内のメディアやファンが望月氏を無邪気に称賛し続けている理由の一つに、日本の(望月グループ以外の)数学コミュニティが沈黙を続けているという点がある。「論じるには数論幾何に関するきわめて専門的な知識が要るので、専門外の立場で軽々しく発言することはしない」というのは研究者の姿勢としてはまあ理解できるが、「私は専門外だから」というのを口実にして逃げているという言い方もできる。数学の中身については論じられなくても、「彼らの学問的誠実性の欠如」に関しては何かしらもう少し発言してもよいのではないか。望月グループ以外の日本の数学者たちがどういう反応をしているのか(していないのか)という部分も、世界から観察されているはず。

    そういえば、日本評論社の「数学セミナー」とサイエンス社の「数理科学」は、私がバックナンバーを検索してみた限りでは、両誌とも特集などで IUT を取り上げたことは一度もないようだ。どちらもライターではなく研究者が執筆するスタイルの雑誌であり、雑誌として特に否定的意見を述べることはないが、肯定的に取り上げることもしないという形で、執筆者・編集部とも見識を示している、とは言える。(「数学セミナー」2010年12月号の「続・解けそうで解けない問題」という特集で「フェルマーの最終定理とabc予想」という記事は載っている。これは2010年なので望月論文の発表以前。)

  • のプラグイン(ブログエントリの末尾に付けている SNS シェアボタン)についに Bluesky のボタンが追加されたので付けてみた。

    なお、取得した Bluesky アカウントは現在ほぼ全く使っていない。久しぶりに、めぼしいアカウントをフォローなどしてみた。知っている人があまり見つからない。

    JAXA とか、先にアカウント取られちゃってますね…。