charan-po-rantan

紆余曲折集会(チャラン・ポ・ランタン)

@Spotify O-EAST。久々に降りた渋谷駅が未来都市になっていて迷子に。ハチ公口に出たかったのに、気がついたら宮益坂の方にいた。何を言ってるのか分からねーと思うが(略)。

ライブハウスは本当に久しぶり。ドリンク代が600円になっていた。ワンコインで払えない。

客層は自分よりちょい下、30〜40代がメインという感じ。結構ばらばら。自分と同じように「蛇腹談義」以降にファンになった人も多そう。

これまで配信ライブは何回か視聴しているが、生音で聴けたのが最高だった。しかもバンドも楽器多めの特別編成。ももさんの、あの空気がビリビリ震えるような圧倒的な歌唱力と、磁力を持つかのような小春さんのアコーディオンの音が素晴らしい。これは本当に1個の楽器から出ている音なのか、と不思議になるほど、小春さんの演奏は場の空気を一変させて風景を作り出すような音がする。

ツアーがまだ続くので曲目は伏せるが、いろいろ凄かった。1曲だけ挙げるなら「みてるよ」かな。聴いた後にお祓いをしてもらわないと憑かれるくらいの曲。

林檎さん

今日明日と東京 2 days で、チケットリセールもあったのかもしれないが、結局忙しくて見送らざるを得ない。無念。

でも木曜に別のライブに行く。これは行くよ。

忙しくなることは分かっていたので連休中に少しでも処理しておくつもりだったが、なぜか連休だけが泡と消え、後に成果は残らず。おかしい。あ、でも取材は一つ消化したんだった。

奇跡の姉妹

チャラン・ポ・ランタンのドイツツアーのドキュメンタリー。結成の経緯の話や、バックバンドであるカンカンバルカン楽団のメンバー一人一人へのインタビュー。二人の母親で、スタイリストや舞台美術を務めるアキさんへのインタビューもあって超貴重。

結成当時の話は過去の動画でも触れられていて、併せて見ると面白い。

チャラン・ポ・ランタンは小春さんの構想を実現するためのユニットで、ある意味小春さんが独裁者。映画監督などと同じで、一流の芸術は究極的には独裁からしか生まれえないと俺も思う。小春さん自身は「絵を描くときと同じ感覚」「絵はみんなで描いたりしないじゃん」と説明している。

チャラン・ポ・ランタンの前に、小春さんは MINORITY ORCHESTRA というバンドを高校時代に組んでやっていた。インストバンドだったが、初めて歌詞付きの曲を作ったのをきっかけにして、妹のももさんをヴォーカルとしてバンドに入れた。入れたとほぼ同時に二人でチャランポを結成して、MINORITY ORCHESTRA は解散となった。バンドメンバーが大学に進学する年齢になってバンド活動の都合が付かなくなった、と「蛇腹談義」では説明していたが、実はももさんがバンドのフロントパーソンとして入ったことで、バンド内の人間関係が壊れてしまった、という切ない話を2013年のインタビューで語っている。ただし、ドラムのふーちんさんだけは今もカンカンバルカンのドラムとしてずっと続けている。

こういうのは会社でも、あるあるかもしれない。「ここは実質的にあの人の独裁制で回っている組織なのだ」と承知の上で入ったつもりでも、これ以上はもう付いていけないな、と思うときが来たりする。こういうのはどちらが悪いわけでもない。子供が成長とともに同じ服を着ていられなくなるのと同じように、人間関係にも更新のタイミングがある。

原稿の

直され方を見て、「うーむ、これでもまだ硬いと言われるのかぁ」と思ったり。小春さんが「素人なめんな」と言われたあれを思い出した。

Re: リバイバル上映

チャラン・ポ・ランタンのライブを観たいと思っていたが、気づいたときにはツアーのチケットが売り切れていて、でも東京公演を配信で観られる券があったので購入して観た。コロナ時代ならでは。

素晴らしいライブだった。開演に間に合わず、30分遅れくらいで見始めて、終わってから最初の30分をアーカイブ映像で見直したが、冒頭だけでなく結局最後までもう一度見てしまい、さらにもう1周見てしまった。計3周。

小春さんとカンカンバルカンの圧倒的な演奏力と、ももさんの、ときに狂気を孕んだような歌唱と演技が素晴らしい。10代から大道芸をやってきた人たちなので、ライブの回し方がやはり別格の上手さ。公演の全体が、小春さんの脳から溢れ出した極彩色の情報の洪水のような感じ(と書いたら、ATOKから 《修飾語の連続》 と注意された)。ももさんと小春さんはふだんの声質はだいぶ違うが、二人がハモるとやはり姉妹であることを感じる。

チャラン・ポ・ランタンのライブの楽しさは林檎さんも亀田師匠とのラジオ番組で言及している。

最初の方にやった曲は重い曲が多め。小春さんも曲間の MC で「無理無理。引くわ、こんな曲ばっかやってるやつ」と自嘲していた。昨今は実世界がしんどい事象ばかりでみんな疲れているせいか、さらっとした音楽が流行っているような気もするが、負の情念や劣等感をエンタメとして昇華させるチャラン・ポ・ランタンの曲こそ今必要かも、と思う。形代に穢れを移して流す流し雛のような。

「リバイバル上映」はマジ名曲。

上部へスクロール