• 無事に新口座の方で買付が始まったことを確認。旧つみたてNISAの口座を既に持っている人は、特に何もせずに同じ内容の新NISA口座が自動で作られていて、そちらで買付が継続される。旧つみたてNISA口座で積み立てた投信は、自分で売却しない限りそのまま持ち続ける状態になる。20年で非課税期間が終わるのでそれまでには売る。

    年間40万円という中途半端な非課税枠が新NISAでは120万円まで拡大されたので、月々の積立額を切りのよい数字に少し増やした。

    日経平均が最高値を更新とか、新NISA効果だとか、「新NISA」がtwitterのトレンド入りとか、年初に枠いっぱいまで突っ込むのがセオリーだとか、一時の株高で変に盛り上がっている。自分は老後のためにつみたて投資枠しか使うつもりがなく、日本株もあまり買うつもりがないが、成長投資枠で博打をやりたい人が結構いるらしい。元手がある人は楽しそうでよろしおすなぁ。

    生涯にわたってギャンブルと縁を切れなかった父のことを思い出す。俺は報われなかったがこんなもんじゃないはず、というルサンチマンと、資産・学力・技能のようなストックがないという劣等感が組み合わさると、どうしても博打で一発逆転を狙うくらいしか手がないという考え方に嵌まってしまい、ただでさえ薄いストックをどんどん溶かしてしまう。「地道にやるのが結局、後に残るものが一番多い」という考え方がどうしてもできない人だったな。

  • ずっと続いていたいくつかのお仕事がようやく手を離れて旅立っていった。

    北陸には親類などはいないが、地震の報道は気が重くなるのであまり見ない。

    承認欲求や自己満足のために被災地に入りたがる人たちが批判されている。今の被災地は戦場と同じで、社会インフラが壊れて人間が死の危険から十分に守られない状況なので、たとえボランティア活動であっても、死ぬ覚悟がある人しか行ってはいけない。山で遭難した人を助けたいからといって素人が徒手空拳で救助に行かないのと同じで、プロに任せるべき。何かしたいなら義援金を送るのがよい。

    現代の人間は文明のおかげで荒ぶる自然の脅威から守られているということを忘れがち。被災地に行こうとする人、サンダル履きで高尾山に登ろうとする人、ワクチンなんか要らないという人、熊を殺すなと言う人は、文明のありがたみを忘れて文明がなくても自分は自然に殺されないと思っている点が共通している。

    そういえばクリスマス前に『TIME』のテイラー・スウィフト掲載号をamazonで注文していたのだが、

    まじかよ。amazon本体の販売でもこういうことがあるのか。ぼええ。

  • 特集「もっと科学が好きになる 名著大図鑑」を一部執筆いたしました。絶賛発売中ですので、よろしければご覧ください。

    科学雑誌ニュートン最新号(2024年2月号) 「名著大図鑑」2024年2月号 | ニュートンプレス

    自分が担当したのは「PART1 宇宙の法則がわかる名著」の8冊と「PART2 生命と地球の謎にせまる名著」の13冊。本の候補は編集部の方々とライターの方々が出しあい、編集部内で最終的に選出。自分が選んでいない本で執筆を担当したものもある。

    2021年9月号と2022年6月刊の「Newton別冊 科学名著図鑑」でも同様の企画をやったので、「いや、もう自分のおすすめはだいたい出し切りましたけどね…」「ですよねー」と編集さんと話をしたのだが、まあ以前の記事で見送った本なども今回入っている。今回は古典的名著というよりは、近年に出た本からおすすめを選んだものが多い。

    自分の蔵書にない本は買ったり借りたりして読んだが、「なるほど、これはいい本だな」という発見がたくさんあった。自分の趣味嗜好だけに従っていると絶対に読まない本というのがたくさんあり、そこにも良書はたくさんある。こういうのは一生かかっても到底掘り尽くせない。

  • 元日の早朝にも立ち寄ってお詣りをしたが、3日にも改めて、同じ神社に親と初詣に行った。日射しがなくて少し寒い。

    おみくじは末吉。自我を捨てて他人に従え、相手に一歩譲る心のゆとりを、「能ある鷹は爪を隠す」、などのありがたいお言葉をいただいた。部門別の運勢は以下の通り。

    • 仕事・交渉・取引
      大きな動きはない。地味で平凡な成り行きだが、尻上がりに好転していく。強引に動くとマイナスとなる。
    • 愛情・縁談・恋愛
      互いの誠実さと積極性が美しい実りとなる。ちょっと懐がさびしい気配があるので面白みはないが、順調にいく。
    • 健康・病気・療養
      なんとなく気力が低下して元気のない時。重病の場合は要注意。見かけより重い。打撲の場合は軽くみるな。
    • 学業・技芸・試験
      実力が十分に出ないで苦しむ。しかし才能はいずれ認められる。もうひと踏ん張りの頑張りが必要。

    今は雌伏すべき時ということか。「ちょっと懐がさびしい気配があるので」に泣。「おめぇ金ないけど、真面目に積極的にいけばいいことあるよ」的な。一定の説得力はある。

    夜、ようやく年賀状を書き終えて投函。遅くなってすみません。

    年賀状を書くのにずっとゼブラのSARASA 0.5mmを使っていたが、ハガキに書くとすぐにかすれてしまう。インクジェット紙なので表面の粉がペン先に詰まってしまうのかなと思ったが、表面処理されていない宛名面でもかすれて書けなくなる。左利きはどうしても横の運筆でペン先が紙に刺さるので、繊維が詰まりやすいのだろうか。

    いろんなペンを買ってきて試したところ、SARASAの1.0mmであればスムーズに書けることが分かった。宛名にはぺんてるの「筆touch サインペン」がよかった。筆ペンほどではないが、ペン先に柔軟性がある。左で使うと筆先の入りが右手のようにはならないので筆跡はあまり綺麗にならないが、感触に引っかき感がなくて滑らか。

  • カウントダウンから朝帰りして、疲れて昼過ぎから寝正月。携帯の緊急地震速報が鳴った。半分寝た頭で身体だけ起こしてみたが、揺れは特に感じなかったので再び寝る。その後もなんかいろいろ携帯が鳴っていた気がするが、そのまま寝る。

    夕方に起きたら能登でM7.6、最大震度7とのこと。元日から何て日だ。

    現地の映像を見ると、築年数の古い木造家屋が軒並み潰れているように見える。ビルも座屈だけでなく横転していたり。相当な被害になりそう。

    こういう地震があると必ず、人工地震だとか地震兵器だとか言い出す人がいるが、人工地震ではないよ。そういう陰謀が成立すると考える人は自然や科学をナメすぎている。

    自然の地震と人工的な地下での爆発は地震波の特徴から区別できる。どこかの国がこっそり核実験をやっていないかという国際的な監視プログラムも、それらの技術を使って監視している。

    自然の地震はP波(初期微動)よりS波(主要動)の方が振幅が大きいが、地下での人工的な爆発ではS波はほとんど出ないという特徴がある。地震は岩盤に圧縮力が加わり、圧縮の軸に直交する方向に飛び出そうとする力が働くことで断層がずれて起こる。つまり、ものがずれる現象が根本にあるので、横波であるS波の方が大きくなる。一方、爆発現象は放射状にものが飛散する力に起因するので、縦波の疎密波であるP波が卓越し、S波はほとんど発生しない。

    下図は赤の波形が地下核実験、青の波形が同じ地域で発生した地震の波形の例。赤丸・青丸がそれぞれの震源、三角が観測点。

    Nuclear Explosion Monitoring | Global Security

    他にも、人工的な爆発では短周期の揺れ成分が多くなるとかいろんな特徴があり、詳しく分析することで、自然の地震と人工的な爆発、あるいは地下の空洞の崩落などを区別できるようになっている。

    あとまあ、今回の震源は深さ16kmと推定されている(これも地震波の到達時間の違いから求まる)。一方で、これまでに人類が掘ることができた最も深い縦穴は深さ12.2kmに過ぎない。地下16kmにアクセスする手段を持たないのにどうやってそんな深さで人工地震を起こせるんですか、寝言は寝てからおっしゃってください、という話になる。