• 下の方だけ、混みすぎた枝を透かした。上の方は全く手つかず。ラピュタの樹のように枝が絡みすぎて手を奥に入れられないのと、良い剪定道具を持っていないので、まず武器を調達せねば。柚子はトゲが大変長く鋭いので、ちょっと剪定しただけでも手が傷だらけになる。手袋も必要。

    この木は20年以上前から生えていて、柑橘類であるという以上のことが何も分かっていなかった。葉の形から種類を同定するサイトを参照し、どうやら柚子であることを確認した。母に聞くと、確かに柚子の種を植えたことがあったかもしれないとのこと。

    「桃栗三年柿八年、柚子の大馬鹿十八年」というが、この木も花や実を付けたことが一度もない。柑橘類は接ぎ木で育てるのが普通で、種から発芽したもの(実生というらしい)だとなかなか実は付かないらしい。

    …なのだが、いろいろ勉強すると、そもそも手入れをしなさすぎたために枝や葉が生えすぎ、花を付けようとしない状態に陥っているらしいことが分かった。考えてみれば、花・実を付けるというのは次世代に子孫を残す行動なわけで、現役で成長する気満々では花は付かないというのはまあ納得できる。柚子の実を収穫する場合はもっと枝や葉をスッカスカに保って花・実に栄養が行くようにし、主な枝は3本くらいでいいらしい。

    急にたくさん切るのもよくなさそうなので、何度かに分けて透かし剪定を進める予定。

  • 特集「宇宙からの挑戦状」を執筆いたしました。よろしければご覧ください。

    科学雑誌ニュートン最新号(2024年8月号) 「宇宙からの挑戦状」 | ニュートンプレス

    現代の天文学における未解決問題を解説しています。「ダークマターの正体は何か」「ダークエネルギーの正体は何か」のような大きな問題は何度も取り上げているので今回は置いといて、もう少し知名度低めの、しかし重要なトピックを14個、紹介しています。監修は「天プラ」でもおなじみ、電波天文学者の平松正顕さん(国立天文台)。

    今までに何が分かっていて何が未踏か、という「現在位置の確認」は大事。

    自分が学生だった1990年代前半の天文学を思い出してみると、例えば「太陽ニュートリノ問題」(太陽から届くニュートリノの個数がなぜか理論値の約半分しかない)や、宇宙年齢の問題(球状星団にある最古の星が約130億歳と推定されるのに、ハッブル定数から計算した宇宙年齢は約110億年にしかならない)があった。

    前者はニュートリノ振動という現象が確認され、後者は宇宙の加速膨張の証拠が見つかって解決した。解決はしたが、ニュートリノ振動が起こるということはニュートリノが標準模型の仮定とは違って質量を持つということであり、宇宙膨張が加速しているということは正体不明のダークエネルギーという成分が宇宙にあるということになり、どちらも別の未解決問題に形を変えて生き残っているとも言える。

    そんなふうに、「未解決問題の多くはいずれ解かれるが、形を変えて次世代にリレーされる」という実例をいくつも目の当たりにできたのは、この歳まで生きて良かったことの一つだなと思う。高校・大学時代の自分には、例えばスポーツの世界記録が更新されるというのは身体能力が向上したり用具が進歩したりしてだんだん実現していくんだろうという想像がついたが、当時存在していた科学分野の未解決問題がいずれ解決される(=学問は進歩してゆく)というのはどういうことなのか、具体的なイメージがよく分かっていなかった。

  • 風呂に浸かっていて足の指を触っていたら、なんかいぼが増えているのを発見。数年前から小さいのが一つできていたのは気づいていたが、指の関節のところにさらに3個できている。

    尋常性疣贅は10代の頃に初めてできて、最初は手の指や顎に多発した。その後は10年ごとくらいに小規模な発症を繰り返している。HPVウイルスの感染でできるわけだが(子宮頸がんを引き起こすHPVとはタイプが異なる)、発症に長周期の波があるように感じられる理由はよく分からない。毎回新たに感染しているのかもしれないし、治まったと思ってもウイルスが潜んでいて、何かのタイミングで発症するのかもしれない。

    治療は液体窒素での凍結療法が定番ということで、皮膚科へ。この機会にこれまでの混みすぎるクリニックはやめ、数年前にもいぼの治療でかかった別のクリニックに変えた。前日にネット予約で取れるのが良い。顔や背中の疾患もついでに診てもらった。これらは投薬でコントロールするだけの慢性疾患なので特に診療方針は変わらず。これまでのクリニックよりは丁寧に診てくれる感じで良かった。

    液体窒素で根性焼きされるのは痛い。大人なので泣いたりはしないけど。

    対応してくれたナースさんの顔にいぼがあって、「紺屋の白袴」という言葉を思い出した。

  • 枕が臭うので洗濯した。中身はストローを切ったようなプラスチックのパイプで、ファスナーが付いているので取り出せる。全部出してガワを洗濯。

    昔、Perfume ののっちさんが「Mステ」で紹介していたこだわりの枕で、本体は上・下・左・右・中央と5分割されており、各区画にファスナーが付いている。そのため、区画ごとにプラスチックを取り出してキープしておき、ガワを洗濯したら元に戻す。めんどくさい。

    じょうごがあればいいと気づいたので、PETボトルを切ってじょうごとカップにした。取り出したプラスチックをカップですくっては、じょうごで枕に流し入れる。大変良い感じ。

    このプラスチックパイプのような隙間の多そうな粒子でも、じょうごに大量に入れると詰まって落ちなくなる。揺すると少しずつ落ちていくが、遅い。いろいろ試した結果、じょうごをぐるぐる回して粒子に遠心力を与えると、出口に常に隙間ができてスムーズに流れ落ちていくことが分かった。サイクロン掃除機と同じ原理。

  • 自分は都民ではないので傍観しているが、カオス的様相を呈していて大変だなぁと思っている。まさに衆愚政。

    選挙ポスターでなぜ公序良俗に反する画像を使ったりポスター枠を転売したりできるのかが不思議だったが、調べてみると確かに、ポスターに関する規程はザルというか、性善説運用のような雰囲気がある。

    掲示場に貼る「選挙運動ポスター」の具体的な様式や制限については、もし定めるとすれば公職選挙法のレベルではなく、各自治体の選管が決める選挙執行規程の中で定めるべきもののようである。だが、実際には大したルールがない。

    例えば東京都の選挙執行規程を見ると、選挙公報の掲載文に関しては、使える文字の種類や大きさ、品位保持の規定など、わりと細かくルールがある(第53〜68条)。一方、ポスターに関しては証紙や掲示場に関する規定しかない(第35〜39条)。

    このアンバランスの原因はよく分からないが、選挙公報は選管の発行物であるのに対して、ポスターに関しては選管は掲示場を用意するだけなので、証紙さえ貼れば内容には介入しないという思想なのかもしれない。あるいは、選挙公報では過去にいろいろな輩が出たので規定が整っている一方、ポスターではこれまであまりバカをやる輩がいなかったのでユルいままということなのかも。

    何にせよ、選挙制度は民主主義国家の根幹をなすシステムなので、近年の「N」や「つ」が付くポピュリズム政党のように、性善説ベースの選挙システムの脆弱性を突いていろいろやる団体については、「民主主義という価値そのものへの挑戦」ということで、公安にちゃんと掃除してほしい気もする。

    公安調査庁のwebサイトには「最近の内外情勢」というページがあって、地味に更新が続けられている。これを見ると、公安調査庁の関心が今どこにあるかが何となく分かる。

    国内に限れば、登場するのは基本的には右翼団体・極左暴力集団・日本共産党・オウム真理教という感じで、「N」や「つ」に関して今のところ言及はない。共産党以外の政党・政治団体に関しては、2023年10月の内外情勢に以下の記述がある。

    10月8日(日)右派系グループが、「反移民デー」と称して、「移民政策反対」を訴えるデモ行進などを実施(東京・石川など)。

    右翼の場合、普通は「右翼団体が、…」という主語で書かれるので、「右派系グループが」と書かれているのは珍しいな、と思ってこの件を調べると、「日」が付く自称政党が主催したデモだったらしい。わざわざ言及したということは、公調はこの団体の動向をそれなりの関心を持って見ているということかもしれない。この団体の代表は今回の都知事選にも立候補している。

    全然関係ないが、読売新聞の候補者リストで蓮舫が「蓮 舫」と分かち書きされていて、ちょっと面白かった。

    この人のフルネームは「齊藤蓮舫」または「謝蓮舫」なので、「蓮」は名字ではない。都選管の候補者一覧では氏名は分かち書きされていない。