• 5/22(木)

    木漏れ日はピンホールカメラになっている。重なり合う葉が作り出す小さな隙間がピンホールとなって、地面に太陽の像を投影する。だから、隙間が十分に小さければ、木漏れ日は必ず円形になる。

    まぎれもないピンホールカメラであるから、外形だけでなく、太陽面に大きな黒点が出ていれば木漏れ日の中にも黒点が見えるはず。ただし実際には、黒点が見えるほどシャープに映るためにはピンホールが小さくないといけなくて、そうすると光量が落ちてしまうのでなかなか難しい。

    日食のときには木漏れ日も欠けた太陽の形になる。

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    ピンホールカメラの図を描くと分かる通り、「像のサイズ」と「スクリーンまでの距離」の比は、「被写体のサイズ」と「被写体までの距離」の比に常に等しい。100m先にある1mのものは、奥行100cmのピンホールカメラでは1cmに映る。

    ということは、木漏れ日の「太陽像」と「葉っぱまでの高さ」の比は、いつでも「太陽の直径」:「太陽までの距離」の比に等しい。

    太陽の直径は約139万kmで、地球から太陽までの距離は1天文単位=約1.5億kmだから、この比率はざっくり 1:100 である。なので、木漏れ日の直径と葉っぱまでの高さもつねに 1:100 になる。もし木漏れ日の太陽像が直径 3cm だったら、その木漏れ日を作り出した葉っぱの隙間までの高さは 3m だと即座に計算できる。

    宇宙は日常と無縁の世界だと思いがちだが、私たちが地面に落ちた木漏れ日を見るとき、その直径は太陽系の都合で決まっており、そこにはつねに太陽系のミニチュアが存在しているのだと思うと、ちょっと新鮮な感覚になりませんか、ならないですか、そうですか。


    そんなことを考えながら昼飯を食っていた。ここで食べるのも最後。

  • 行きつけの床屋に行ったら6人行列していた。日曜はワンオペらしいので仕方ない。別の床屋にするか、と思って QBHOUSE に行ってみたら、こちらは15人待ちだった。

    ただ、QBHOUSE は整理券制になっていて、あと何人で順番が来るかをスマホで常時確認できるシステムがある。便利。順番が来るまで他の場所で適当に時間を潰せる。結局、切り終わるまで2時間かかった。散髪自体は10分で終わった。

    かつての1,000円床屋ももう1,400円になっているわけで、収入も1.4倍になってくれないと困るのだが、なかなか…。


    そんな人生の壁も、頑張ればトンネル効果ですり抜けられるらしい。量子力学凄い。

    「自分発で」というワードもいい。君ももっと心をポンピングして、コヒーレントな気持ちをどんどん発振していこうよ!

  • にて、コラム「ピラミッドも透視できる宇宙線「ミューオン」とは何か?」を執筆いたしました。よろしければご覧ください。

    古代エジプトの謎 | ニュートンプレス

    クフ王の大ピラミッドから未知の空間が見つかったことが2023年に話題になりましたが、そこで使われた「ミューオンイメージング」という技術は何なのかという解説をしています。

    名古屋大学の河江肖剰先生が監修で、古代エジプト学の最新の知見が網羅されていてなかなか良い別冊だと思います。Newton本誌で1月に担当させていただいた記事も再編集されて収録されています。1月の記事で紹介した「ブルックリン博物館所蔵 特別展 古代エジプト」は東京では終わったが、静岡・愛知・広島を巡回するらしい。

    昔から古代エジプトやピラミッドは人気だが、日本におけるエヴァンジェリストが吉村作治さんから河江さんへと世代交代したことで、「お宝発掘」的な視点だけでなく、もう少し学問的というか、考古学や自然科学の一分野としてのエジプト学が一般向けにもちゃんと紹介される形に変わってきているのは良いことだと思う。


    庭に置いているゴミ箱に生ゴミが入っていることをどこかのネコが学習してしまったらしく、ちょいちょい荒らされる。どうしようか考え中。ゴミ箱の蓋は一応開き止めが付いていて簡単には開かないのだが、ゴミ箱自体を倒すと衝撃で開いてしまうことを学習されてしまった。倒されないように脚立で押さえてバリケードにしていたが、さっき引き倒される音が聞こえたので出て行ったら、脚立もろとも倒されていた。小癪な。

  • 春芽がばんばん伸びてきたので先日剪定した。結局花は今年も付かず。一応肥料はやってみたのだが。

    もし来春に花を付けるモードになってくれれば、これらの春芽の先に蕾が付くはず。なるべく春芽は切らないように気を付けつつ、昨秋に徒長した枝や内向している枝を整理。

    どうも枝葉を生やす方(栄養成長)に旺盛っぽいので、根切りとかしないとダメかもしれない。


    愛知でT-4が墜落。小牧から新田原に帰る途中だったらしい。機体は池に沈没。乗員がベイルアウトしたかどうかの報道がまだない。ヘルメットと帽子が見つかったとの報告あり。うーむ。

    どうしても、1999年のT-33の事故を思い出す。地元で起こった事故なので忘れることはない。T-33のときは結局、導入から年月が相当経っていたこともあって事故後に全機が飛行を差し止めてそのまま退役になり、練習機はT-4に置き換わった。今回も、全基地のT-4が飛行見合わせ中とのこと。

    ブルーインパルスもT-4なのでどうなるか。5/25の美保基地航空祭を始め、毎月のように展示飛行の予定があるが、安全が確認できるまで飛行は難しいのではないか。

    T-33のときは無線でベイルアウトを告げてからもそのまま操縦を続けて、河川敷に出てから脱出したものの、もはや高度が足りなくて助からなかったのだが、これについて、「住宅地を避けてぎりぎりまで機体を誘導した英雄的行為である」「地上の整備要員が責を負わないように、間に合わないのを承知で脱出機構の作動だけさせた」といった美談がしばしば語られる。実際そうだったのかもしれないが、ちょっと辟易しているのも確か。

    今回の事故も、早くもSNSではそれに似た物語(「市街地を避けて池に向かったに違いない」)が流布され始めている。そうだったのかもしれないが、事故調の報告が出るまでは何も分からないし、何でもかんでも感動物語にして消費しようとするな、しばらく静かにしてろ、とは思う。

  • 「瞑想する人ほど老化が遅い」というGIGAZINEの記事。

    記事に書かれている通り、「超越瞑想 (TM)」というのを最初に言ったのはインドのマハリシ・ヨギという人物で、ビートルズのジョージ・ハリスンが彼の信者として傾倒したことでも知られる。

    ジョセフソン効果の発見で江崎玲於奈などとともに1973年のノーベル物理学賞を受賞したブライアン・ジョセフソンも彼の思想に嵌まり、超能力や超心理学を研究するなど、完全におかしくなった。

    上の VOICE の記事でも触れられている通り、マントラを唱える瞑想とか空中浮揚とか、この手のニューエイジカルチャーや自己啓発はオウム真理教の元ネタの一つでもあり、カルトとの親和性が非常に高い。GIGAZINE の記事を書いたライターはそういうTMの歴史や危うさを知っているのかいないのか不明だが、もう少し注意深く扱うべきだろうと思う。

    しかも、記事で取り上げている論文は、あの悪名高いMDPIの論文誌に投稿されたものである。

    MDPIはオープンアクセスのオンライン論文誌をたくさん出している企業で、掲載料さえ支払ってくれればろくに査読をせずに何でも載せますよ、というビジネスで有名。いわゆる「ハゲタカジャーナル」の運営元である。

    まともな研究者はわざわざMDPIのジャーナルには投稿しない。投稿するのは投稿する「理由」がある人々(他の雑誌では掲載を断られるトンデモ論文をどうにかして論文誌っぽいところに掲載し、「referred journal への掲載実績」を粉飾したい人々)だけ、というのが共通認識になっているはず。

    オウムの事件から30年経って、やっぱり世代が入れ替わると風化は避けられないんだろうなと思う。オウムの後継組織は今も活動しているし、統一教会をはじめ、オウム以外のカルトも至るところで無害な同好会や自助グループの顔をして、自分探しをしたい無邪気な若者や精神的に弱っている人たちを待ちかまえている。メディアに携わる人々も、気を付けて仕事をしないといけない。

    ついこないだも、自分がお手伝いをしているメディアで編集部が紹介しようとしていた商品が、実はカルト団体が資金源として販売している代物らしいことが分かって記事がボツになったということがあった。本当に、一見無害な顔をしてあちこちにそういうものがあります。