こちらも。F-4 ファントムII国内退役の記事と宇宙旅行の歴史と未来についての記事を執筆。戦闘機の記事改訂も少しやりました。よろしければご覧ください。
飛行機のテクノロジー 最新鋭の旅客機,戦闘機の魅力を徹底解剖 改訂第3版
Newton別冊は2年くらいで改訂される。1冊出したら10年20年売れるという世界では全くないので大変。
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にて、SpaceX のロケットの紹介記事を書きました。よろしければご覧ください。
Newton (ニュートン) 2022年 02月号 [雑誌]
SpaceX のロケットのラインナップといっても、現行機種は Falcon 9 と Falcon Heavy の2種類しかなくて、Heavy は 9 を3本束ねただけなので、実質的に1種類。エンジンも、第1段は Merlin 1D+ ×9基のクラスターで、第2段は Merlin 1D Vacuum × 1基。改良を重ねているけど基本的には1種類。「メニューはラーメンだけ」というラーメン屋みたいな感じ。徹底して合理化されている。
月・火星を目指す Starship はさすがにそうはいかなくて、メタンを燃料にする Raptor という新エンジンを新規に開発中。火星まで往復するには火星で燃料を現地調達することが必須なので、火星環境の二酸化炭素と水から合成できる物質ということでメタンのエンジンになっている。前澤氏の月旅行もNASAのアルテミス計画も Starship を使うことになっているが、いつ完成するのかは謎。8機目の実験機「SN15」で、高度10000mまで上昇した後に垂直着陸する試験には成功している。
星景写真家を名乗る、ある人の Instagram に先日のふたご座流星群の写真だという作品が投稿されていたのだが、うーーむ。インスタ見られない人もいると思うので貼ってしまいますけど。画像内にご本人のクレジットがあるのでお許しください。

比較明合成というやり方で、たくさん撮った写真から流星の飛跡だけをたくさん合成して一枚の写真にするという定番の手法なのだが、この人のは非常に嘘くさい。
画像の一番上に写っている明るい2個の星が、ふたご座のカストル(右)とポルックス(左)でして、ふたご群の輻射点はカストルの少し右にある。群流星はここから放射状に流れるように見えるわけだが、輻射点に近い流星ほど飛跡は短くなるのが普通なのです。なのにこの写真では、どれもほとんど同じ長さになっている。元画像をダウンロードして計測してみたら、ほとんどの流星が93ピクセルくらいの長さに揃っていた。こんなことありえない。本物の流星像は1、2個だけで、それをコピペして増やしている疑惑があります。
流星が飛ぶ位置もこんなに均等にばらけないはずだし、流星像自体もただの棒みたいで変なんだよね。光り始めと光り終わりは暗いので、本当の飛跡はもっと紡錘状になるんですよ。
参考として、2001年に自分が撮ったしし座流星群の比較明合成写真を挙げる。銀塩フィルムをスキャンして合成したもので、周辺減光もうまく補正できていない下手くそなものだが、正直に流星の飛跡を比較明合成すると、こういう感じの分布になる。

流星の色も、撮るとこういうふうに光り始めは緑色で光り終わりは赤っぽかったりするんです。件の写真は流星の色もあまり出てないし、非常に不自然。
「これはアートであって科学写真を目指しているのではないから、演出は許される」という立場はまあ理解できるんだけど、飛んでもいない流星をコピペするのは「演出」の範囲を超えた、ただの捏造だろう。功名心からなのか、動機も良く分からないのだが。こういうことをやって、天文を知らない閲覧者から綺麗、すごい、と褒めてもらって、それって楽しいのだろうか。