避ける飛行機たち。当たり前だが、民間機の飛行を制限する NOTAM が出ている。
その分、ルーマニアあたりがえらい混雑しているように見えるが、どうなのだろう。普段の状態を知らないのでよく分からない。
キエフをウクライナ語の「キーウ」表記に変えたメディアは今のところ以下のようである。
日本の主要メディアは変えていない。まあキーウと言われても馴染みがないからな。
運用に地上の政治対立を持ち込むというのは、宇宙条約の思想や各条文の規定と相いれないので実際には無理筋だろうと思われる。
宇宙ステーション協力関係、対ロ制裁で「損なわれる」可能性 ロシア宇宙機関
Roscosmos のトップが「ロシアが手を引いたら ISS はロシアには落ちないけど米欧に落ちるかもしれないぜ、いいのか」と煽るのも子供じみているし、それに対してイーロン・マスクが「俺達 (SpaceX) がいるから別にいいよ」と煽り返すのも微妙。いったん落ち着こう。
ISS の軌道傾斜角は51.6度なので、落下地点は北緯51.6度から南緯51.6度の間になる。確かにロシアの大部分は範囲外だが、ヴォルゴグラードやイルクーツクやウラジオストク、2014年に分捕ったクリミアなどは落下範囲内にあり、無制御で落とせばこういう地域にも危険は及ぶ。(実際には運用終了時に南太平洋に制御落下させる予定)
ISS を加速して軌道を上げるには、ISS の「船尾」側にある Zvezda というモジュールのスラスターを噴くか、あるいは Zvezda に宇宙船や補給船をドッキングさせて、これらのエンジンを噴いて ISS を押してやる必要がある。
Zvezda はロシアのモジュールで、ドッキングポートもロシアの規格になっているので、ドッキングできるのはロシアの ソユーズとプログレス、ESA の ATV に限られる。SpaceX のクルードラゴンやカーゴドラゴンはそのままではドッキングできない。アダプターを装備すれば可能だろうが、ロシアなしで ISS をブーストしたいなら欧州が ATV を出せば一応用は足りる。
ただ、CNN の記事にもある通り、ISS は各国のモジュールが互いに依存し合ってできているので、参加国のどの国も、いなくなれば多かれ少なかれ全体が困る。緊急脱出用のソユーズはロシアのものだし、電力を供給している巨大なトラスは米国のもので、特定の国の飛行士に使わせないとか言える性質のものでもない。
これは結局、国同士が経済的に強く依存し合っている現代の地上世界の縮図でもある。制裁で特定の国を孤立させるというのは、北朝鮮のように国際経済に何も寄与していない国でもない限り、現実にはなかなか難しい。互いに強結合したままで何とか落とし所を見つけるしかない。
接する国々の国境線の長さをグラフにしてみた。海まで入れるとめんどくさいので、陸上の国境のみ。
青は NATO 加盟国、赤はロシアの軍事同盟である CSTO 加盟国。水色は米国と、オレンジはロシアと何らかの軍事的協力関係にある国。黄色(モンゴル)は明示的な軍事協力はないものの、ロシア製兵器を使うなど、軍事面で米国よりはロシアに依存している国。
ソ連解体前はエストニアからアゼルバイジャンまで全部赤だったことを考えると、ロシアとしては、ドミノ的に周辺国が青に倒れ続けていることに敗北感を感じているのだろうというのは分かる。ここでウクライナまで青になるのだけは絶対許容できない、というのも、同意することは到底無理だが、離婚を切り出されたDV夫的な心理だろうという理解はできる。
ロシアはウクライナと同様に長大な国境を接するフィンランドに対しても、「NATO に入ったらどうなるか、分かってんだろうな」と恫喝している。北風と太陽。国連安保理の常任理事国が何やってんだよという感じだが、GDP を見るとロシアは今やインドにも抜かれている。衰退した元超大国の悪あがきだと思うと切なくもある。
買った。自室の書籍収容能力が限界に来ていたので、隣の部屋に置かせてもらう。
これにより、自室の床を埋め尽くしていた本のスタックや段ボール箱がなくなってすっきり。部屋が片付いているのは精神衛生にとても良い。
そういえば、こないだ売りに出した月刊誌2箱は結局、
という感じだった。Vabooなのでここから1箱あたり送料を500円引かれた。黒字にはなったが、雑誌はやっぱり単行本ほどの値は付かない。