た末期癌と被爆との因果関係をどうやって科学的に認定できるのか、謎だなーと思ったが、
「いかに放射能が人間の体を食いつぶすか」…原爆から77年でがんを発症、先月亡くなった被爆者・李鐘根さんが、最後に小川彩佳キャスターに話したこと。 | TBS NEWS DIG
原爆症の認定基準は以下の通りであった。
認定審査について
申請される疾病のほとんどは、がん、白内障など、被爆者以外の方も発症・罹患するような疾病であり、特に被爆者の平均年齢が82歳を超えた現在では、生活習慣や加齢による発症であるのか、70年以上前に浴びた放射線に起因する発症なのかの判断が難しく、審査にあたっては、高度の医学・放射線学上の 知識が必要になります。
このため、医学・放射線学の第一線の学者から成る合議制の審査会(疾病・障害認定審査会原子爆弾被爆者医療分科会)の意見を聴いて、審査が行われています。
現在、実際に広島、長崎において被爆者医療に従事している医師、各疾病分野の専門家である医師、放射線医学の専門家及び法律家等で構成される審査会により「新しい審査の方針」に基づき審査が行われています。
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第1 放射線起因性の判断
放射線起因性の要件該当性の判断は、科学的知見を基本としながら、総合的に実施するものである。
特に、被爆者救済及び審査の迅速化の見地から、現在の科学的知見として放射線被曝による健康影響を肯定できる範囲に加え、放射線被曝による健康影響が必ずしも明らかでない範囲を含め、次のように「積極的に認定する範囲」を設定する。
1 積極的に認定する範囲
(1)悪性腫瘍(固形がんなど)、白血病、副甲状腺機能亢進症
[1]悪性腫瘍(固形がんなど)
[2]白血病
[3]副甲状腺機能亢進症
の各疾病については、
ア 被爆地点が爆心地より約3.5km以内である者
イ 原爆投下より約100時間以内に爆心地から約2km以内に入市した者
ウ 原爆投下より約100時間経過後から、原爆投下より約2週間以内の期間に、爆心地から約2km以内の地点に1週間程度以上滞在した者
のいずれかに該当する者から申請がある場合については、格段に反対すべき事由がない限り、当該申請疾病と被曝した放射線との関係を原則的に認定するものとする。
つまり癌については、爆心地から3.5km以内で被爆した人であれば、「格段に反対すべき事由がない限り」自動的に原爆症と認定される形になっている。科学的なエビデンスに基づくというよりは、被爆者の高齢化が進んで生存者も年々減っていることだし、「偽陽性」による誤認定を気にするよりもなるべく全員認定する方向に倒しましょう、という感じ。政策としてはこういうのもありなのだろう。
そういう政治的な機微を考えずに、いかにも77年後に必ず確定的な影響が出るかのような見出しを付けるのは違う気がするが、テレビだからしょうがないのか。