• Mac のスティッキーズ(付箋)に書いてやっていたが、もう少しちゃんとやらなきゃダメだろうと反省することがいろいろあったので、スケジューラーを探す。

    で結局、google カレンダーになった。何のひねりもない結論。Mac と iOS で連携できて、UI が見やすいというところで。Mac と iOS のカレンダーも連携できるが、iOS 側のカレンダーアプリが unko すぎる。月カレンダーに線表が引けないのはいけん。

  • チャラン・ポ・ランタンのドイツツアーのドキュメンタリー。結成の経緯の話や、バックバンドであるカンカンバルカン楽団のメンバー一人一人へのインタビュー。二人の母親で、スタイリストや舞台美術を務めるアキさんへのインタビューもあって超貴重。

    結成当時の話は過去の動画でも触れられていて、併せて見ると面白い。

    チャラン・ポ・ランタンは小春さんの構想を実現するためのユニットで、ある意味小春さんが独裁者。映画監督などと同じで、一流の芸術は究極的には独裁からしか生まれえないと俺も思う。小春さん自身は「絵を描くときと同じ感覚」「絵はみんなで描いたりしないじゃん」と説明している。

    チャラン・ポ・ランタンの前に、小春さんは MINORITY ORCHESTRA というバンドを高校時代に組んでやっていた。インストバンドだったが、初めて歌詞付きの曲を作ったのをきっかけにして、妹のももさんをヴォーカルとしてバンドに入れた。入れたとほぼ同時に二人でチャランポを結成して、MINORITY ORCHESTRA は解散となった。バンドメンバーが大学に進学する年齢になってバンド活動の都合が付かなくなった、と「蛇腹談義」では説明していたが、実はももさんがバンドのフロントパーソンとして入ったことで、バンド内の人間関係が壊れてしまった、という切ない話を2013年のインタビューで語っている。ただし、ドラムのふーちんさんだけは今もカンカンバルカンのドラムとしてずっと続けている。

    チャラン・ポ・ランタン(Rooftop2013年3月号) – インタビュー | Rooftop

    こういうのは会社でも、あるあるかもしれない。「ここは実質的にあの人の独裁制で回っている組織なのだ」と承知の上で入ったつもりでも、これ以上はもう付いていけないな、と思うときが来たりする。こういうのはどちらが悪いわけでもない。子供が成長とともに同じ服を着ていられなくなるのと同じように、人間関係にも更新のタイミングがある。

  • 「国土の 1/3 が水没」という気候大臣の談話が報じられているが、パキスタンの国土面積(78万km2)は日本の約2倍もあるので、その 1/3 が水没するというのはさすがに考えづらい。カスピ海の70%の面積を持つ湖が一時的に出現したのと同じことになってしまう。誤訳じゃないのと思うが、BBC でもそう報じている。

    Pakistan floods: One third of country is under water – minister

    “Literally, one-third of Pakistan is underwater right now, which has exceeded every boundary, every norm we’ve seen in the past,” Ms Rehman told AFP news agency.

    国連衛星センター (UNOSAT) の衛星データの分析によると、8/23 現在で冠水している面積は55,000km2、被災者は1,936万人(総人口の9%)となっている。大変な災害だが、「国土の 1/3」はさすがに不正確な気もする。冠水が発生している県の面積を足すと 1/3 になる、とかいう意味なら分かるが…。ちょっと謎。

    Satellite detected water extents between 03 and 23 August 2022 over Pakistan – Imagery Analysis: 03 to 23/08/2022 Published 26/08/2022 V1. –

    ともあれ、一国で対処できるレベルを超えていそうなのは確か。

  • 朝日新聞の「声」欄にはときどき、どう考えてもこれはツッコミ待ち、もしくは担当者による晒しだろうと思うような投稿が掲載されるが、8月28日(日)朝刊のこれもなかなかの芳醇さ。

    「残虐な野球用語いつまで」

    「死球」という言葉が残虐だと書いたわずか11行後ろで、何のためらいもなく「死語」という言葉を使っているあたりが特に好きです。

    「声」欄の場合、掲載前に新聞社から投稿者に連絡が来るので、そのチェックを通ってるということは、ネタではなく本当に千葉県在住の71歳女性が書いたのだろう。

    思い出すのは、「軍靴コピペ」「春の戦没コピペ」などと呼ばれた、おそらく 2ch 発祥のミームである。少し探した感じでは、2005年の「オッスオラ極右のガイドライン」スレが最古のようだ。

    323 :水先案名無い人:2005/03/23(水) 14:18:36 ID:6nz6SAmS0

    先日、息子が野球部に入るのだと言って頭を丸刈りにしました。
    私は野球のことは全く知りませんが、今時スポーツをするのに丸刈りにする必要があるのか・・・・
    と疑問に思っていました。
    謎が解けたのは、息子が「皇支援に行くのが夢だ」などと言い出してからでした。
    野球とはスポーツに見せかけた極右活動だったのです。
    息子が党首をやっていて保守のためにがんばるというのを聞いた時にはその場にへたりこんでしまいました。
    最近始まった高校野球の大会も「春の戦没」などという名で、あの忌まわしき戦争を思い出させます。
    揃いの服に身を包んだ丸刈りの若者達の入場行進を見た時、私には軍靴の足音が聞こえてきました。

    (38歳 主婦)

    現実の投稿がネタを凌駕する2022年。

  • NASAの小惑星探査機がソフトウェアの検証に遅れを生じ、今年の打ち上げウィンドウを逃すことになり、天体到着が遅れるという記事。

    NASAの探査機「サイキ」の打ち上げ延期は、さまざまなミッションの遂行に多大な影響を及ぼすことになる

    内容はいいのだが、

    小惑星プシケの謎を解き明かすべく、NASAが送り込む探査機「サイキ」

    という訳文はどうしたものか。プシケもサイキも英語では Psyche なので、日本語のときだけ書き分けるのもなんかおかしいが、自分ならどうするか、かなり迷う。

    日本で定着している外来語(特に非英語)のカタカナ表記が英語読みと違っている場合にどう書くかというのは悩むところ。SLS でもうすぐ打ち上げられる Orion 宇宙船も、今はだいたい「オリオン」と書かれるが、開発初期には「オライオン」と書くメディアも多かった。

    P-3 哨戒機 (Orion) は「オライオン」と呼ばれることがほとんどで、「オリオン」とはまず呼ばれない。C-130 輸送機 (Hercules) も日本では「ハーキュリーズ」と呼ばれることが多く、「ヘラクレス」と呼ばれることはほぼない。

    古代ギリシャの哲学者プラトンは英語では Plato なので、彼の名前が付いた月のクレーターも Plato である。これについては、日本の天文書籍の多くは「プラトン」ではなく「プラトー」と英語読みに寄せた表記をしていて、結果的にプラトンの名が付いたクレーターであることが分かりづらくなってしまっている。(自分は子供の頃、plateau(高地)から来た名前だと思っていた)

    OSIRIS-REx は「オシリス・レックス」と書くメディアが多いが、日本の研究者の方々はもっぱら「オサイリス・レックス」と発音している。

    “Florence, Italy” も罠で、フィレンツェのことだと気づかずに「フローレンス」と訳す人がたまにいる。

    Psyche は久々に登場した、めんどくさい名前だな…。打ち上げが延びたのでしばらく考える時間はできたが。