• 引き出しの上にフルヘッヘンドしていた半年分くらいの本・書類・郵便物等を整理。いただいた年賀状の当籤番号をまだ見ていなかったが、改めて確認したところ、今年は残念ながら1枚も当たっていなかった。

    未使用の年賀はがきも数枚出土した。郵便局で切手と交換してもらってもいいのだが、切手に換えたところでたぶん使わない。なので、「懸賞生活」や「公募ガイド」のwebサイトを見て、懸賞に応募するのに使った。当たれば儲けもの。

    ただ、最近は懸賞もwebから応募するものが主流で、はがきで応募できるものは少なかった。郵便制度もいつまで存続するのか…。ギャラの明細を毎月郵送で送ってくれる取引先があるが、経理の人がわざわざプリントアウトして封筒に入れて切手を貼って投函、という手間を考えると、もうPDF添付のメールでいいのではと思う。

    大規模な太陽フレアの影響で世界的に低緯度オーロラが出ているという話で、自分も昨夜、家の窓から撮影してみた。さすがに、空が明るすぎて全く写りませんでした。画像処理してみたが全く出てこなかった。RAWで撮ればよかった。片岡龍峰さんのまとめを見ると、空さえ暗ければ近畿・中部・関東あたりの緯度でも見えたようである。

  • 5/9(木)

    また用事で都内に出る。電車・仕事場・店などでマスクを着けずにいることに抵抗がなくなってきた。顔が蒸れて痒くならないので最高。手の消毒は、入口に消毒液が置いてある場所では何となくまだやっている。

    虎屋の羊羹をいただいた。美味い。食べた後で口の中が甘ったるくならないのが、やはりそのへんの羊羹と違う。

    淀のゴールドポイントカードと yodobashi.com のポイントをまとめて、ついでにGPカードアプリとも連携させた。ビックカメラは実店舗とECサイトのポイントを自力で共通化できたと思うが、淀の場合はわざわざ店に行って共通化の手続きをして、「アクセスキー」というのを発行してもらい、これを yodobashi.com のサイトに入力する必要がある。在宅仕事になって以来、家電量販店の実店舗で買い物をする機会がほぼなくなっているので、これまでに溜めたポイントはECサイトで使える方が都合がよい。

    ざっと数えたら、外出時に持ち歩いている財布とカード入れに、カード類が50枚以上入っていた。なるべく減らしたい。

    Perfumeさんのタリーズカード。コロナ禍+在宅生活でしばらく行く機会がなかったため、使えなくなってしまった。最後の来店から2年で失効してしまう。チャージされていたポイントがぼっしゅーとになるだけでなく、このカードに改めてチャージすることも不可となる。今となってはただの板なので持ち歩いていても仕方がない。

    ウェイトレスさんが全員未亡人という伝説で知られた、今は亡き「談話室滝沢」のサービス券。平成14年ということは2002年。もう20年以上前か。閉店したのは2005年らしい。

    2011年7月、最後のスペースシャトルミッション「STS-135」の打ち上げ見学ツアーのチケット。観戦記は当時の日記に書いた。7/7, 7/8, 7/9。現地で見学ツアーを催行していた会社は日本人の方がやられていたが、「シャトルが終わった後はどうされるんですか」と聞くと、「うーん、どうしましょうかね」みたいな感じではっきりした答はなかった記憶がある。今も現地でお元気で仕事をされているのか、気になる。

  • GW中に人と直接会う機会が何度かあったが、ふだん家族との日常会話とコンビニのレジくらいでしか発声をしない生活なので、数時間にわたって人と話をすると声がかれてくることに気づいた。そのせいでどうしても飲み物で喉を潤しながらの会話になり、コーラを飲み過ぎて胃をやられたというのが先日の会食。

    たくさん喋る前には牛丼やマヨネーズなど油分を含んだ食べ物を食べておくと声の出が良いらしい。(ななすけさん調べ)

    買ったばかりのシャツを着て散髪に行ったら、サイズ表記のシールが襟に付いたままだったようで、理容師のお姉さんが「すみません、これ剥がしてもいいですか」と言って剥がしてくれた。ユニクロあるある。

    こういうことがあっても、恥ずかしいと思わなくなってきた。自分が他人からどう見えているかに関心がなくなってきたというか。これも老化だろうか。最低限清潔感のある身だしなみになるようには気を付けている。

    以前から SUZURI にTシャツやらマグカップやらを出している。売上が立つことは期待しておらず、お金持ちのマダムが住宅街で暇つぶしにやっているセレクトショップのような心持ちでやっているが、周期表のグッズだけはポアソン過程のようにぽつぽつと売れ続けているのが面白い。みんな周期表好きなんですね。

    ただ、かなり前に出品したものなのでデータが古く、112番コペルニシウムまでしか載っていないのが気になっていた。今回、119番オガネソンまで記載されている最新のデザインに入れ替えた。113番ニホニウムも載っています。

    最近の SUZURI は作れるものがどんどん増えていて、アクリルスタンドなんかも作れるらしい。そのうち追加しよう。

    会社を辞めるときに、この先何がやりたいかというとりとめのない話を新宿の喫茶店で当時の同僚とした記憶があるが、その頃に言っていたのが「科学関係のライター業」「翻訳」「Tシャツを売る」みたいなことだった。数年経って、当時言っていたことをそれなりに実現していて、飢え死にしない程度に生き続けているというのは、改めて考えるとなかなか頑張ってるじゃん自分、と思う。

  • 4月29日のTBS「クレイジージャーニー」で吉村作治氏が大々的に取り上げられたせいか、以前に書いた河江肖剰さんの紹介記事がまたたくさんアクセスされている。

    番組は TVer でまだ見られる。

    「クフ王のピラミッドは墓ではない」という吉村氏の主張と最近の彼の発掘活動を紹介する内容だったが、現在のエジプト学の主流の立場では、クフ王のものを含めてピラミッドは王墓だと考えるのが一番もっともらしいと当然考えられており、吉村氏の主張は異端である。吉村氏の過去の発掘成果は一流と言ってよいが、ある人物の業績の大きさとその人の主張の正しさとの間にはあまり関係はないので、「ああ、偉い先生でも寝言を言うんだなぁ」くらいに受け止めておくのが大事。

    アカデミアでは、「一流の業績を残した大先生が妄言を語る」例はさまざまな場所でごく普通に目にする。森博嗣だったか、そういうのを発症するのは結局、加齢で運動能力が衰えるのと同じような「脳の知的活動能力の老化現象」なのではないか、と書いていた。

    「クフのピラミッドは墓ではない」説の根拠として吉村氏が挙げていた点に、各々注釈を付けると以下のようになる。

    「玄室に壁画やレリーフがない」
    王墓の玄室や棺に絵やヒエログリフがびっしり描かれているというイメージは、「王家の谷」に埋葬されているラムセス2世とかツタンカーメンとかの「新王国時代」(1550 BC – 1069 BC)の王墓のスタイルであり、三大ピラミッドが建てられた古王国第4王朝(2613 BC – 2494 BC)やそれ以前の時代にはまだみられなかった。玄室にそうした装飾が最初に出現したのは、クフ王から200年以上経った第5王朝最後のウナス王(2345 BC – 2315 BC)の時代である。三大ピラミッドと新王国の間には1000年の時間差があり、墓制や流行、宗教観も当然変化するはずで、クフのピラミッドが新王国時代のスタイルと違うから墓でないと結論するのは、平安時代の墓が現代の墓に似ていないから墓ではないと主張するのと同じくらい荒っぽい言説。
    「クフの石棺はツタンカーメンの人型棺が入らないくらい小さい」
    これも上に同じで、「ツタンカーメン王墓の形式が古王国時代にも共通する」という前提自体に正当性がない。(小さいとは言うが、クフ王の石棺の全長は227cm、内寸で197cmあり、当然成人男性の身長は納まる。)
    「玄室は地下に設けるのが普通で、クフのピラミッドのように地面より高い場所に玄室を置く墓などない」
    クフの父(先代)であるスネフェル王のピラミッドは3基あるが、メイドゥムの崩壊ピラミッドの玄室はぎりぎり地上、屈折ピラミッドは地下と地上(2室)、赤ピラミッドもぎりぎり地上にある。クフほど高い場所にある例は確かにないが、「玄室は必ず地下」というルールがあるわけでもない。ピラミッド内部の通路と部屋の配置はピラミッドごとに大きく違っていて、共通性を語るのが難しいほどバリエーションに富んでいる。クフ王の玄室の配置をもって「墓でない」根拠にするというのもあまり正当とは思えない。
    「クフのピラミッドはおそらく、墓ではなく宗教施設か天体観測施設である」
    ギザに限らずピラミッドというものは、ピラミッド単独で建てられるのではなく、周壁、参道、葬祭神殿、河岸神殿、港などからなる「複合施設群(pyramid complex)」として建設される。クフのピラミッド複合体の建設には約20年、述べ2万〜3万人が参加したと推定されており、これほどの巨大建設プロジェクトを王の代替わりごとに行うにもかかわらず、これが王墓でなくただの宗教施設や観測施設だと考えるのは説得力に欠ける。ピラミッドの内部通路には侵入を防ぐ石落としなどの機構が何重にも作られているわけで、埋葬を目的としない宗教施設や観測施設にそのような仕掛けが必要なはずもない。

    マジレスをすればこのような感じで、今さら王墓でないと主張するのはかなり無理がある。テレビのようなメディアは「退屈な事実」よりも「奇抜な嘘」を面白おかしくお涙頂戴で伝える方が儲かると考えるものなので、そんな人々が放送するものを鵜呑みにしても仕方がない。私財をなげうって老骨にむち打ちエジプトで掘り続ける吉村氏の姿に小池栄子が涙ぐんでいたが、生き様から伝わる迫力と学問的な正しさは別の話である。

    河江さんが著書や動画で繰り返し説明しているが、考古学では出土遺物の「文脈 (context)」が非常に重要になる。一つの遺物を見るだけでなく、同時代や前後の時代の物とどうつながっているか、近隣の場所からどんなものが出ているか、という時空間上での遺物間の関係を押さえることが大事。吉村氏の「王墓でない」説には、コンテクストを考える視点が致命的に欠けている。クフの「真の墓」を見つけたいという野心ばかりが先に立ち、遺物同士が織りなすコンテクストの面白さや、それらが語る情報の豊かさにはあまり興味がない人なのだろう、という印象。

    番組後に河江さんは次のようにツイートしている。

    大人のサブカルとして異端の学説を半笑いで楽しむ分には害もないが、本気で信じてプロの研究者に絡んでくる素人さんたちがいる。そうした人たちへの河江さんのツイート。(こちらは今回の番組とは関係なく、1月のもの)

    吉村的視点ではない真のエジプト学の入門書として、河江さんの『ピラミッド:最新科学で古代遺跡の謎を解く』はかなりおすすめ。単行本の『ピラミッド・タウンを発掘する』を改題した文庫本。先行研究の引用や参考文献リストがちゃんとしていて、安心して読める。

    「ほぼ日」でも河江さんと糸井重里の対談が掲載されていて、これも面白い。

  • 読み物記事「熱電変換の物理学」を執筆いたしました。さまざまな過程で環境に放出される廃熱から(小規模でいいから)電力を得ようという研究の紹介。

    科学雑誌ニュートン最新号(2024年6月号) 「地球大解剖」 | ニュートンプレス

    (どうでもいいが、Newtonのwebサイト、<meta property="og:image" ... > のタグが変な所で改行されているせいか、サムネ画像が出ないな…)

    廃熱を利用したいという動機を説明するためには、まずエネルギーの変換効率やロスの話が必要になってくるので、記事の前半はエネルギー保存則や熱力学第二法則、永久機関の話になっている。いろんな永久機関の例については知っていても、なぜその永久機関は不可能なのか説明しろと言われると難しいことも多い。今回、自分も改めていろいろ勉強した。

    監修は東京理科大学の山本貴博教授。熱電変換研究の第一人者であるだけでなく、物理のアウトリーチの分野でも大変お話が面白いことで有名。取材でも話に引き込まれた。ヨビノリたくみさんのYouTubeチャンネルにも何度か登場していて、水や炭素、CNTなどの面白い性質について話してくれている。おすすめです。