• 踵に靴ずれができることで、靴の踵の内側が破れていることに気づくパターンが多い。今履いているやつもついに内側が破れて靴ずれができるようになってしまった。ここ数年は ASICS の GT-1000 を履き続けているが、必ず踵の内側が最初にダメになり、そのタイミングで買い替えている。

    1足の GT-1000 を履き続けていた時代は、ほぼ1年で踵の内側が破れていた。前回買い替えたときに、試しに2足買って交互に履くことにしてみた。今回、その2足がほぼ同時に破れたわけだが、破れるまで(破れていることに気づくまで)の期間は何と3年9か月にまで延びた。

    2足交互に履いているので理屈で言えば寿命は2年になるはずだが、なぜこれほど長持ちしたのか謎。コロナで在宅勤務になり、取材もほぼ全てリモートになって出歩く機会が減ったせいか。

  • 前にも書いたが、父方の祖父は福岡でバプテスト派の牧師をしていて、祖父母の一家はクリスチャンだった。1930年頃に九州・中国地方のパプテスト教会を統括する組合で内部分裂があり、祖父は分派して出て行った側の若手幹部だったらしい。この分派は信者の霊的体験とか、トランス状態になって叫ぶとか踊り出すとか、そんな体験を重要視するという、バプテストの教義とは相容れない要素を持つ団体で、まあ今でいうカルトである。リーダーだった人物に祖父母も付き従い、福岡から広島の呉に移って伝道活動をした。

    戦時中、祖父は家族を連れて朝鮮へ渡り、教員をしていたと聞いている。まあ小規模な教団の伝道活動では食えなかったのだろう。終戦の直前に父が生まれ、終戦とともに呉に引き揚げた。

    父は6人きょうだいの末っ子で、一番上の兄は終戦当時12歳だった。祖父はこの長男を教団のリーダー(T先生と呼ばれていた)の家に住まわせ、T先生の家の雑事をさせた。貧しかったので、教団への献金の代わりに自分の息子を労働力として差し出したということかもしれない。ひどい話だ。

    この長男(俺にとっての伯父)はそこそこ聡明な子供だったと聞いているが、T先生宅での奉公によって、T先生一家からあからさまに虐待を受けたり、教祖としての表の顔とは全く異なるT先生の俗物ぶりを見たりと、相当に苛酷な体験をして、精神を病んだ。一生のほとんどを精神病院に入院して過ごし、昨年亡くなった。

    6人きょうだいのうち、父の姉2人(俺の伯母)にも、入院まではいかないものの、軽い発達障害か精神障害のようなものがあり、就職はできずに障害年金で暮らしていた。片方の伯母は俺が5歳の頃に、よく分からない男と結婚したが、ろくに働かずに伯母の障害年金を食い物にするヒモのような男だったらしい。この伯母は50代で病死した。

    もう片方の伯母は一人暮らしをしていて、父がたまに様子を見に行ったりしていたが、数年前に孤独死した。

    祖父母や父のきょうだいからは、親族としての親しみや温かみをほとんど感じなかった。母方の親戚とは違い、付き合いもほとんどなかった。どういうわけか、喜怒哀楽の情動が薄い人達ばかりだった。信仰が影響したのかどうかは分からないが、歪さを感じる家族だった。父はそういう生い立ちだったので宗教は大嫌いで、きょうだいの中では唯一、情愛や思いやりという面でごく普通の感覚を持つ人だった(が、競馬の必勝法の研究にのめり込むという別の欠陥を持っていた)。

    T先生は1950年代に亡くなり、その後の教団がどうなったのかは父からも聞いていない(T先生の系譜を引く教団は現在も呉ではない場所で存続しているようだ)。

    父は関東の大学に進学し、母と出会って結婚した後、祖父母を呉から埼玉に呼び寄せて同居を始めた。埼玉でも、祖父母はT先生の教団と縁がある(?)別の教団の信者となって活動を続けていた。父母にも入信を勧めたり礼拝に来いと言ったり、ろくに金もないのに教団の教祖のために車を買って寄付したりして、父母とことあるごとに喧嘩していたのを覚えている。

    まあそういうわけで、自分は言ってみればカルト3世ということになる。オウムや統一教会ほど先鋭的ではなかったが、カルトが家族関係をどのように蝕むかについては幼少期からそれなりに見聞してきた。父と母が、祖父母の面倒を見ながらも、祖父母の宗教からは俺達子供達を防衛するという難しい舵取りを続けていたことが、今はよく分かる。父や親族の死去に伴って、今では祖父母一家の残骸の後始末が俺のところにも時折回ってくる。

    父は生い立ちについてあまり話さなかったので、祖父母の家族の歴史については今となっては分からないことも多い。ライフワークとして、この教団の文献や資料を集めてみるのも面白いと思っている。

  • 3-4km歩くことを最近しているが、何となく体調がいいような気がする。荷物も持たず速めに歩くだけなので、意外とバテない。ただし踵が靴ずれになった。

  • の破綻は有機農業を強制した政策の影響が大きいとの記事。

    中国より恐ろしい「ESGの罠」、大統領が逃亡した破産宣言スリランカの誤算 化学肥料禁止で農業生産が激減した「グリーン優等生」の結末 | JBpress (ジェイビープレス)

    化学肥料を禁止したことで農産物の生産量がほぼ半減。ポル・ポト政権を思い出しますね。文明の功と罪を見ずに「テクノロジー=罪」と短絡的に考える人物が権力を握るとどうなるかというケーススタディとして有用。

  • 変異し続けているのにいつまでも Ver.1 を使い続けているのもどうなんだ、ということで2社のプレスリリースを覗いてみた。

    ファイザー/ビオンテック

    6/25 付けでプレスリリースが出ている。

    Pfizer and BioNTech Announce Omicron-Adapted COVID-19 Vaccine Candidates Demonstrate High Immune Response Against Omicron | Pfizer

    オミクロン株と呼んでいる変異株にはおおざっぱに BA.1, BA.2, BA.4, BA.5 がある(細かく分けるときりがないが)。ファイザーは BA.1 の遺伝情報を使った1価ワクチンと、BA.1 対応+従来型を混合した2価ワクチンの2種類について臨床試験を1月から続けている。すでに第2相・第3相試験までやっている。

    3回接種済みの被験者に4回目としてこれらの新ワクチン候補を接種した場合、1価ワクチンでは、BA.1 に対する抗体価は従来型ワクチンの2.23〜3.15倍になるという結果。2価ワクチンでは1.56〜1.97倍。

    米国で新ワクチンの緊急使用が許可されるためには、従来型に比べて1.5倍以上抗体価が高いものでなければダメという条件があり、2つの新ワクチン候補はこの条件をクリアしている。

    また、接種から1か月後の BA.1 に対する抗体価は、1価ワクチンで接種前の13.5〜19.6倍に高まり、2価ワクチンでは9.1〜10.9倍に高まる。

    ただし、BA.4, BA.5 に対する抗体価の上昇は BA.1 に対する値の 1/3 くらいにとどまるとの結果。BA.4/5 に対する試験は今後数週間続けるとのこと。

    モデルナ

    モデルナは 7/11 にプレスリリースを出している。

    Moderna’s Omicron-Containing Bivalent Booster Candidate, mRNA-1273.214, Demonstrates Significantly Higher Neutralizing Antibody Response Aga

    モデルナの従来型ワクチンは mRNA-1273 という名前だが、現在は従来型とオミクロン株(おそらく BA.1)の遺伝情報を使った新ワクチンを混合した2価ワクチン候補 「mRNA-1273.214」を臨床試験している。さらに、従来型と BA.4/5 の遺伝情報を使った新ワクチンを混合した別の2価ワクチン候補「mRNA-1273.222」も並行して試験している。「市場の好み」に対応するために2種類を並行試験しているとのこと。

    mRNA-1273.214 の臨床試験では、BA.4/5 に対する接種後の抗体価が従来型ワクチンの1.69倍になったとの結果。また接種1か月後の抗体価の上昇は、従来型を接種した場合は接種前の3.5倍に高まるのに対して、mRNA-1273.214 では接種前の6.3倍に高まるとのこと。mRNA-1273.222 の試験結果はプレスリリースとしてはまだ出ていない。

    両社とも、認可が下りて製品として出荷されるのは秋頃という見通しのようだ。日本の4回目接種には間に合わず、使われるとしても5回目以降というところか。おせぇな、と言いたくなるが、これでも旧来の「鶏卵で抗体を増やして…」とかやっていたワクチン開発に比べれば画期的に速いのだろう。設計図にする mRNA を新しい株のものに取り替えるだけだから、原理的には全然速くできるはず。