• 今回は薬を2か月分出されたせいで、診療代と薬代の合計が9,000円近くになって一瞬呼吸が止まった。ついでに咳も止まって欲しい。(だいぶ治ってはいます)

    温かいお茶類ばかり飲んでいるとかえって食道が乾燥する気がする。必要な油分が洗い流されてしまうようだ。飴ではダメで、チョコレートなど油脂を含むものを適度に摂ると改善される。

    水流で遊ぶように見えるカニ。

    目的のない「遊び」行動をするのは高い知能を持つ証拠だと言われていて、イルカやカラスは遊びをする。カニのような節足動物が遊びをする*ように見える*のは興味深い。ただし、本当に遊びなのかどうかはこれだけではよく分からない。水流で寄生虫が洗い流されて気持ちいいというような実用的意味のある行動なのかもしれないから。

    研究によると、マルハナバチはボール遊びをするという報告がある。タコも浮きをつかんだり離したりする遊びをするという観察結果があるが、これが遊びなのかどうかは議論が分かれているようだ。

  • 地球に衝突する確率が 1% を超える直径数十mの小惑星「2024 YR4」が昨年末に発見されたという話題。

    地球に接近する彗星・小惑星はまとめて「NEO (Near Earth Object)」と呼ばれ、見つかると衝突のリスク評価が行われる。危険度の指標として「トリノスケール」というのがあり、0〜10の11段階で評価される。

    ぶつかる確率が高くてもサイズが小さければ危険度は小さいので、軌道の観測から衝突確率を、明るさの観測からサイズを推定して、この2つからトリノスケールを出す。ざっくり下図のような区分。

    Torino scale – Torino scale – Wikipedia

    横軸が衝突確率、縦軸がTNT換算で表した運動エネルギー(と直径)。水爆の核出力はだいたいTNT換算で1メガトンくらいだが、それと同じくらいのエネルギーを生じる天体衝突は直径20mの場合に相当する。エネルギーは天体の質量に比例するので、直径の3乗に比例する。

    6600万年前に地球に衝突して恐竜を絶滅させた小惑星は直径10kmと推定されていて、この図の上端の線に当たる。直径200kmの衝突クレーターがユカタン半島に残されている。

    トリノスケール 0 は「危険なし」、1 は「普通」、2〜4は「注意すべき」、5〜7は「脅威あり」、8〜10は「確実に衝突」となる。トリノスケール 1 の天体は年に数個見つかる。

    今回の 2024 YR4 は直径40〜100m、衝突確率 1.2 %でトリノスケール 3 と評価された。トリノスケールは1995年に導入されたが、これまでに 2 以上と評価された天体は以下の2個しかない。

    で、今回の 2024 YR4 が3個目となる。

    アポフィスと 2004 VD17 はどちらも、その後の観測で軌道の決定精度が上がり、衝突確率がほぼゼロであることがはっきりしたため、現在ではトリノスケール 0 になっている。なので、今回の 2024 YR4 も観測が増えて軌道がよく決まれば確率は下がるのでは、という感じ。

    アポフィスは、2023年に小惑星ベンヌのサンプルを持ち帰って現在は延長ミッションに入っているNASAの小惑星探査機「OSIRIS-REx」が2029年に訪れる予定。なので、今は探査機も「OSIRIS-APEX (OSIRIS-Apophis Explorer)」に改名されている。

    「はやぶさ」が訪れた小惑星イトカワ、「はやぶさ2」が訪れたリュウグウ、OSIRIS-RExが訪れたベンヌ、次に訪れるアポフィスはすべて NEO である。火星と木星の間にいる「メインベルト小惑星」まで行くのはエネルギー的になかなか大変で、特にサンプルリターンまでやるのはかなり難しいので、現状の小惑星探査機のほとんどは地球軌道に近づく NEO を目標天体にしている。

  • 買い物の代金を支払うときに小銭入れの中を見たらギザ10が目に入り、おおギザじゃんと思って年号を見たら「昭和三十三年」という文字がちらっと見え、「あれ、昭和33年って珍しいんじゃなかったっけ? いや、まさかね…」と思ってひとまずそれはよけて普通の10円玉で支払いをした。

    帰宅して調べたら、やはりギザ10では昭和33年が最も発行枚数が少ない。約2,500万枚。

    集めた経験がある人はご存じの通り、ギザ10で一番多いのは昭和29年。29年は5億2,090万枚なので、33年のやつはその約20分の1しかない。しかし体感ではもっともっと少ない気がする。自分も子供の頃集めていて数百枚持っていたと思うが、33年は一枚も見た記憶がなく、今回が人生初の邂逅である。

    コイン商で買うと1枚300円くらいするらしい。

    何かよいことがありますように。仕事が終わりますように。

  • にて、写真&解説記事「古代エジプト3000年の謎」を書きました。よろしければご覧ください。

    科学雑誌ニュートン最新号(2025年3月号) 「AI科学革命」 | ニュートンプレス

    1/25(土)〜4/6(日)の日程で六本木ヒルズの「森アーツセンターギャラリー」で行われている「ブルックリン博物館所蔵 特別展 古代エジプト」の展示物を紹介しています。

    展覧会の主催社の一つが朝日新聞社で、Newtonが朝日新聞グループになったこともあってこの記事が載ることになったのだと思われる。展覧会の監修は名古屋大学の河江肖剰先生で、今回の記事も監修していただいた。河江先生グループの最新研究も記事中で紹介させていただいた。

    大ピラミッドを造ったクフ王の像というのはこれまでに手のひらサイズくらいのやつが1個くらいしか出土していないのだが、この展覧会ではクフの彫像の一部かもしれないとされている《王の頭部》など、かなり貴重な遺物が来ている。古王国時代からプトレマイオス朝までまんべんなく遺物が展示されているそうなので、超おすすめ。

    河江先生のYouTubeチャンネルでも展覧会の紹介がされている。

    最近、美術館・博物館に全然行けていないので、これは絶対に行こう。4月までにはさすがに体調も良くなるだろう。

  • 今年のお題は「夢」。

    何度も書いているが、今の皇族でダントツで和歌が上手いのは上皇后美智子さま。残念ながら令和以降は上皇ともども歌会始の儀にはお出にならなくなったので、最新の歌を目にする機会がない。のだが、未発表作の歌集『ゆふすげ』が先週岩波書店から出たらしい。買う。

    多くの皇族が詠む歌は、よくいえば素直、悪くいえば凡庸で、ただの出来事の説明みたいなのが多くて面白みがないのだが、いま歌会始にお出になる皇族の中だと高円宮家の承子さまが図抜けて上手いと思う。

      承子女王殿下

    『夢の国のちびっこバク』も三十年(みそとせ)をわが夢食(は)みつつおとなになりしか

    承子女王殿下には、憲仁親王妃久子殿下がお書きになった絵本「夢の国のちびっこバク」の主人公で怖い夢を食べてくれるバックンを連想され、大きくなったであろうバックンについてのお歌をお詠みになりました。

    独創的で、ちゃんと文学になっている。お題の「夢」も2回も織り込んでいる。承子さんのことをギャルとかロイヤルビッチと言う人もいるが、歌を見ると相当頭の良い人なのではないか。

    承子さまは鳥や鳥の声を詠む歌が多い。母の高円宮妃久子さまがガチのバードウォッチャーなのでその影響なのだろうか。明治神宮の森で鳥の声を聞いたという歌を何度も詠んでいる。同じモチーフで何度も何度も作る人は芸術家である。モネの睡蓮とか、向井秀徳の「くりかえされる諸行無常 よみがえる性的衝動」みたいなもの。

      承子女王殿下

    突然に和鳴(わめい)にぎやか秋空を烏もどりて⼣暮れを知る

    時折、お訪ねになる神社の杜にカラスが戻ってくると、十五分程度で辺りが暗くなる様子が、正確な日暮れの時報のようだとお感じになりお詠みになったお歌です。

    令和6年「和」

      承子女王殿下

    鳥たちの声に重なる原宿の人の気配と日暮の合図

    都心とは思えないほどの自然に囲まれた明治神宮の森で、鳥の声に重なって、時折かすかに聞こえる山手線の発車音や原宿のにぎわいの音がとても心地よく、ふと気が付くと閉門時刻を知らせる日暮れの放送が流れていました。そのような情景を詠まれたものです。

    平成28年「人」

    平成27年はお題が「本」なのに、book のことではなく「日本」にしてまで、鳥の鳴き声のことを詠んでいる。題詠でよくあるテクニックではあるが、よっぽど鳥好きなんだなと思う。

      承子女王殿下

    霧立ちて紅葉の燃ゆる大池に鳥の音響く日本の秋は

    秋、大雨が上がって犬の散歩に出ると、大池に立ち上る真っ白な霧と深紅の紅葉とのコントラストがとても美しく、また静けさの中に響く鳥の羽音や声が大変印象的で、この歌をお詠みになりました。

    平成27年「本」

      承子女王殿下

    静けさをやぶる神社の鳥の声日の落ちてよりいづる三日月

    神社で、急ににぎやかになった鳥の声に気付かれると、いつの間にか日が暮れていて、空にきれいな三日月が出ていた様子を詠まれたものです。

    平成26年「静」

    平成24年はカワセミを詠んでいる。紅葉の赤とカワセミの青という鮮やかな色彩の対比に感動したことが伝わってくる。こういうビジュアルな歌をちゃんと詠める人は皇族にはあまりいない。

      承子女王殿下

    紅葉の美(は)しき赤坂の菖蒲池岸辺に輝く翡翠(かわせみ)の青

    紅葉で真っ赤になっている、赤坂御用地内にある菖蒲池の岸にとまっていた翡翠をご覧になり、その姿がとても印象的に感じられたことを詠まれたものです。

    平成24年「岸」

    「赤坂の」は普通に考えれば要らない情報で、「菖蒲池」またはただの「池」だけでもいいはずだが、上の句の「赤」のイメージを強調したかったのかもしれない。

    鳥ではないが、雪道の犬の足跡のことを詠んだ歌も個人的に好き。

      承子女王殿下

    朝光(あさかげ)にかがやく御苑(みその)の雪景色一人と一匹足跡つづく

    大雪の翌朝、愛犬と散歩に出られたときの情景を詠まれたものです。

    平成31年「光」