『Newton』2021年8月号

にて、Newton Special「宇宙の授業」を執筆いたしました。よろしければご覧ください。

Newton (ニュートン) 2021年 08月号 [雑誌]

初めて Newton のメイン特集を担当させていただき、しかも川村さんと二人でやることになったというのが、個人的には感慨深い。

企画は編集部が出してきたわけですが、宇宙開発と天文学と宇宙論をひっくるめて一つの特集にしてしまうというのは、天文ファンにはかえって思い付かないかも。

あ、あと Super Vision というコーナーで、連星ブラックホールのシミュレーション紹介記事も書きました。

それで、これも言わなければならないが、第2特集「ABC予想とIUT理論」の方は、僕はタッチしていない。編集部の方から「こういう企画をやるけどどう思いますか」という相談はされた(数学系の記事をいつも担当されているライターの方が、ここに僕が書いてきたエントリを見てくださっていたらしい)。abc予想の話だけならいいけど、IUTを取り上げるのはやめた方がいい、と僕は答えたが、結局載せたようだ。載せたようだ、というか、実質的に望月氏陣営の言い分だけを取り上げていて、異議を唱えている側の見解は載っていない。個人的には相当違和感があるが、誰のどういう判断で最終的にこうなったのかは知らない。日頃お世話になっている方々が作った記事なので悪く言うのは心苦しいが、IUTをめぐる世界の数学コミュニティのコンセンサスからは相当ずれていると思います。Newton という、曲がりなりにもネームバリューのあるポピュラーサイエンス誌の姿勢として、こういうのはよくないね、と思っている。