年末恒例特集「星のゆく年くる年」にて、「ゆく年天文学・宇宙開発2024」を執筆いたしました。よろしければご覧ください。
天文業界で今年一番の話題は何と言っても紫金山・アトラス彗星だと思うが、天文「学」・宇宙開発というジャンルでいうと、個人的に一番エモかったのはSLIMの月着陸の画像と、Super Heavy の発射塔でのキャッチ成功だった。
Super Heavy は全長70mなので、ボーイング747と同じくらい。ジャンボ機が垂直に降りてきたのを発射塔で挟んで捕まえる、というイメージ。一発で成功させるとは思わなかった。
イーロン・マスクの最近の言動はどうしようもなくひどいが、SpaceX が最先端を行っていることは認めざるを得ない。2030年代には人類はこうやって月と火星まで行くんだよというビジョンを現物で強烈に見せつけてくるところが凄い。
2024年に打ち上げられたロケットの内訳は下図の通り(サブオービタルは除く)。SpaceX の Falcon シリーズが圧倒的で、中国の長征シリーズが2位。しかも Falcon の薄い緑色の部分はすべて、初飛行ではなくリユースの機体。ただし、125回くらいあるうちの85回くらいは自社の Starlink 衛星の打ち上げなので、これが全部打ち上げビジネスの受注というわけではない。にしても多いが。
あれ、欧州は?と思ったが、2024年はアリアン6の初飛行とVega, Vega-Cが1回ずつで3回しかなかったらしい。なので Others に入っているのかな。