シングル曲ではないが、「Red (Taylor’s Version)」の中でこれも好きな曲の一つ。テイラーは情念とか怒りとか別離の悲しみを曲に転化した作品も多いが、これは爽やかで若々しいラブソング。
若い頃のロバート・ケネディ夫妻を写した写真から二人の出会いの物語を膨らませて書いた曲だという。「1945年の夏」というフレーズは日本人にとっては重すぎて、こんなふうに詞の中でからりとは使えないだろう。良くも悪くも今のアメリカ人の女の子だなという印象。
それはともかく、”Like we’re made of starlight, starlight” “Like we dream impossible dreams” という詞の繰り返しが良い。恋愛の曲ではあるのだが、不可能な夢を見ようじゃないかと言う詞は何だか科学や宇宙の世界にも良く似合う。私たちの身体を作っている水素・ヘリウム以外の元素は太古に恒星の内部で合成されたものなので、”Like we’re made of starlight” というのはだいたい合ってる。