執筆をお手伝いしました。8月6日くらいに発売されていたらしい。
今回は1本だけ、ファインマンの自伝『ご冗談でしょう、ファインマンさん』に出てくる、通称「ファインマンのスプリンクラー」というパラドックスを紹介する記事を書きました。よろしければご覧ください。
スプリンクラーとはよく豪邸の芝生の庭とかにあるあれで、「卍」みたいに先端が曲がったノズルから水を噴き出し、その反動でくるくる回る装置。ノズルが卍の向きだとすると時計回りに回る。仮にこれを水槽に沈めて、水を噴き出すのではなく吸い込ませたら、いったいどちら向きに回転する? という思考実験が「ファインマンのスプリンクラー」。
A説は、「水を噴き出す場合も吸い込む場合も、カーブした内壁を水が押す向きは時計回りでおんなじだから時計回りに回る」。
B説は、「吸い込む場合はノズルが外の水を引っ張り込むので、その反作用でノズルは吸い込み口に向かって前進する。よって反時計回りに回る」。
どちらの説ももっともらしいのでパラドックスということになっているのだが、さて正解はどちらでしょう?
もちろん自分も正解は知らなかったので調べて執筆したのだが、理論と実験の両面でいろいろ研究されてきた歴史のある問題だった。正解は本をお読みください。
『ご冗談でしょう、ファインマンさん』によると、元々ファインマンは流体力学の教科書でこの問題を知ったという。で、大学院の実験室で勝手に実験をしてみた。結果、水槽を破損してしまって怒られたという。この著書には正解は書かれていない。