『星ナビ』2022年12月号

にて、惑星防衛実験 DART の解説記事を書きました。よろしければご覧ください。

月刊 星ナビ 2022年 12月号 [雑誌]

池谷−関彗星や百武彗星のように、少し前までは新彗星に発見者の名前が付くのが普通だったが、今ではパンスターズ彗星・ATLAS彗星・ZTF彗星など、サーベイプロジェクトの名前ばかり付くようになり、名前だけでは区別が付かなくなってしまった。例えば、今見える明るい彗星のリストは以下のような感じ。

Weekly Information about Bright Comets (2022 Nov. 12: North)

こうなったのは結局、1990年代終わり頃に「地球に衝突するリスクがある小天体を根こそぎ見つけるべし」ということになって、それを探すサーベイプロジェクトがいくつも空を常時自動監視するようになり、アマチュアの人力捜索より先にこうしたプロジェクトの望遠鏡が新天体を見つけるようになってしまったため。人類が生き延びるためなので仕方ないが、アマチュア天文愛好家の楽しみは一つ減ってしまった。記事ではそんな話にも少し触れています。

しかしこうした努力のおかげで、直径1km以上の地球接近天体については、推定存在数の97%ほどが発見済みとなっている。凄いことだ。