物理学賞

まさかの真鍋淑郎さん受賞で驚いた。Hansson 先生が “Syukuro Manabe,” と言ったときに、「え、真鍋淑郎…? 地球温暖化とかそっちの人じゃないっけ…」と一瞬不安になった。

The Nobel Prize in Physics 2021

近年の物理学賞はほとんど関係ない3人に抱き合わせで賞を贈るパターンが続いているが、今回のひとくくりワードは「複雑系物理学」。賞金は1/2が真鍋さんとHasselmannへ、残りの1/2がParisiへ。今回の賞が「気候変動の予測」に贈られたという説明がマスメディアで多くなされているが、それだと前半の紹介にしかなっていないので適切でないように思われる。

といいつつParisiさんの業績については門外漢だが、スピングラスでレプリカ対称性の破れというのを発見した業績が評価されたものらしい。レプリカ対称性の破れはスピングラスだけでなく数学や生物学、ニューラルネットワークや機械学習などの幅広い分野に登場する重要な概念になった、らしい。

田崎さんの日記で、Parisiの業績について我々一般人にも分かるレベルでのラフスケッチ的な解説がされていて、とりあえず雰囲気だけは分かった。

https://www.gakushuin.ac.jp/~881791/d/2110.html#06

日本物理学会も今年の物理学賞の解説記事を載せている。ありがたいアウトリーチ活動。

【祝辞・解説を追加しました(10/6)】2021年ノーベル物理学賞は、 複雑系物理学分野における画期的な貢献に対して、「地球気候を物理的にモデル化し、変動を定量化して地球温暖化の高信頼予測を可能にした業績」により真鍋淑郎 氏(プリンストン大学、米)、Klaus Hasselman