中国の気球

F-22 が空対空ミサイルで撃墜するという凄い結末になった。機関砲で十分じゃない? と思ったが、遠くから撃てて勝手に標的に向かってくれるのでミサイルの方が楽か。

Live updates: US shoots down Chinese spy balloon off East Coast

2020年に宮城県に飛来した気球と装置部分の形が微妙に違うが、巨大な太陽電池パネルを積んでいるという異常な特徴が同じなので、出所は同じだろうと個人的には思う。

クローズアップ画像も出ている。超望遠撮影で圧縮効果が働いているので、バルーンと装置部の大きさの比率はほぼこのままと思ってよいだろう。

米軍の発表ではバルーンの直径は90ft (27m) とのこと。だとすると、太陽電池パネルは目分量で、8m×2m が2枚といったところか。「はやぶさ2」の太陽電池パネルがおよそ 6m×2m×2枚なので、はやぶさ2と同じかそれ以上の図体である。

一般に、太陽電池パネルの単位面積当たりの発生電力はざっくり150W/m2 くらいとのこと。なので、この気球では約2400Wもの電力を必要としていることになる。

中国政府は民間による気象観測などの研究用気球だと説明しているが、ただの科学観測用気球で2400Wもの電力はどう考えても不要。気象庁など世界の気象観測機関が12時間ごとに「ラジオゾンデ」という気球を揚げて高層大気の観測をしているが、これは電力をCR-123などの小型リチウム電池で供給している。各種センサーの動作と無線通信だけなのだからそんなものだろう。数時間で約30kmまで上昇した後、破裂して地上に落ちてくる。

というわけで、2kWを超えるほどの大電力が受動的な観測気球で必要だというのはきわめて不自然。動力飛行のためのプロペラなどの推進系や、動画などの高度な撮影機器を積んでいるためだと考えるのが自然だろう。