ファーストペンギン

「皆さんご存じの慣用句」みたいな顔で使われているが、自分は今日初めて知った。意味は想像がつく。

石丸も街頭演説で言うておったらしい。

波瑠の朝ドラ「あさが来た」のセリフにも登場したらしい。2015年には存在していた言葉のようだ。

ほぼ日本(のビジネス界隈)でしか流行っていないようで、Wikipedia 日本語版には「英語の成句」とあるが、この記事に他言語版は存在しない。

「日本のゲームソフトのセリフに出てきて、『米国で「勇気を出して最初に始めた奴」を褒める言い回しだ』みたいに言ってるけど、そんなの聞いたことねぇし、検索しても日本のサイトしかヒットしない。何これ?」と質問している Stack Exchange の投稿があった。

その質問への回答として、CMU の Randy Pausch という教授が書いた著書 “The Last Lecture” (2008) に由来する話だろうと書かれている。彼が担当していた計算機科学の講義では、学期末にクラスで最も野心的な失敗をした学生チームに「ファーストペンギン賞」というのをあげていたというエピソード。

本は米国でそこそこ売れたらしく、同年に日本語訳も出版されている。それで意識高い人たちの間に広まったのかもしれない。

ということで、おそらく英語圏で定着している言い回しではない。江戸しぐさ的な胡散臭さを感じるが、ひとまず由来が分かってよかった。

他人を称えるのに使うならまだしも、自分で「俺がファーストペンギンになる」みたいに言うのは、なんか自己犠牲に酔ってるようだし、「俺を叩く奴らはシャチですよ」という敵認定の図式をあらかじめ用意しているようにも見え、なんだかそこもいやらしい。(※ 個人の感想です)