白内障

母の白内障が急に進んでよく見えなくなったということで、先月に眼内レンズを入れる手術を行った。やったのは特に悪い片方だけ。

手術した直後から効果が表れる人もいるようだが、母の場合は最初あまり視力が回復せず、「手術してもこんなもんか…?」と本人も俺も少し不安だった。しかし、術後に処方された点眼薬の治療をひたすら続けたところ、2〜3週間経つ頃から「テレビが異常に綺麗に見える」と言うようになり、術前にほぼ見えないと言っていた視力が1.0まで回復した。手術の傷が治って眼球が光学系として理想の状態に近づいたとか、入力信号の変化に脳が慣れて、適切に情報処理できるようになるといった要因があるのかもしれない。一安心。

最近では家の中のカビや埃が目に付くようになったと言って、風呂場をピカピカに掃除したりしている。若い頃は綺麗好きだった母だが、近年は掃除の行き届かない場所があっても気づかないようになっていて、気づいた所は俺が掃除したりしていた。(衰えを自覚させるようなことを伝えるとやはり落ち込むので、最近は特に言わないようにしている。)

白内障手術をすると、軽い認知機能の低下であれば改善するという研究もある。

母と同年代の親戚や近所の方々も、話を聞いてみるとほぼ全員が眼内レンズ手術の経験があるようである。祖父母の世代では放っておくしかなかった病気だが、親の世代は医療技術の進歩のおかげで確実にQOLが改善している。保険適用でこういう医療を受けられるようになったのは素晴らしい。