地震

カウントダウンから朝帰りして、疲れて昼過ぎから寝正月。携帯の緊急地震速報が鳴った。半分寝た頭で身体だけ起こしてみたが、揺れは特に感じなかったので再び寝る。その後もなんかいろいろ携帯が鳴っていた気がするが、そのまま寝る。

夕方に起きたら能登でM7.6、最大震度7とのこと。元日から何て日だ。

現地の映像を見ると、築年数の古い木造家屋が軒並み潰れているように見える。ビルも座屈だけでなく横転していたり。相当な被害になりそう。

こういう地震があると必ず、人工地震だとか地震兵器だとか言い出す人がいるが、人工地震ではないよ。そういう陰謀が成立すると考える人は自然や科学をナメすぎている。

自然の地震と人工的な地下での爆発は地震波の特徴から区別できる。どこかの国がこっそり核実験をやっていないかという国際的な監視プログラムも、それらの技術を使って監視している。

自然の地震はP波(初期微動)よりS波(主要動)の方が振幅が大きいが、地下での人工的な爆発ではS波はほとんど出ないという特徴がある。地震は岩盤に圧縮力が加わり、圧縮の軸に直交する方向に飛び出そうとする力が働くことで断層がずれて起こる。つまり、ものがずれる現象が根本にあるので、横波であるS波の方が大きくなる。一方、爆発現象は放射状にものが飛散する力に起因するので、縦波の疎密波であるP波が卓越し、S波はほとんど発生しない。

下図は赤の波形が地下核実験、青の波形が同じ地域で発生した地震の波形の例。赤丸・青丸がそれぞれの震源、三角が観測点。

Nuclear Explosion Monitoring | Global Security

他にも、人工的な爆発では短周期の揺れ成分が多くなるとかいろんな特徴があり、詳しく分析することで、自然の地震と人工的な爆発、あるいは地下の空洞の崩落などを区別できるようになっている。

あとまあ、今回の震源は深さ16kmと推定されている(これも地震波の到達時間の違いから求まる)。一方で、これまでに人類が掘ることができた最も深い縦穴は深さ12.2kmに過ぎない。地下16kmにアクセスする手段を持たないのにどうやってそんな深さで人工地震を起こせるんですか、寝言は寝てからおっしゃってください、という話になる。