達郎

「サンデーソングブック」を聴く。radikoタイムフリーで来週まで聴取可能。そのうち文字起こしも出回るだろう。

https://radiko.jp/#!/ts/FMT/20230709140000

まとめれば、「自己正当化」に終始するコメントという印象。自分はこの問題にさほどの思い入れはないが、彼の談話は今の時代の空気からはずいぶんずれている、とは感じた。

好意的に解釈すれば、「一次情報でない噂や憶測に基づいて何かを判断することはしない」意思の表明だという読み取り方もできるが、「私は一次情報(または自分が直接見聞きしたこと)しか信じない」というのは、一見公平な姿勢のようでいて、見て見ぬふりをしたい人の口実としてもしばしば使われる、まあ後ろ向きな言葉ですよね。外ヅラの良い悪党にとっては、こういう謎のピュアさを出してくる人間は、あれこれ詮索をしてこずに「良いお付き合い」ができる格好の友人になるだろう。

今回の問題の文脈で、自分がいかに若い頃からジャニー氏の生み出すものに憧れ、彼との「縁とご恩」を大事にしてきたかに言及するというのも、心情はその通りなのかもしれないが、よりによってこのタイミングで持ち出すのは筋が悪すぎるなーと思った。

もうとっくに成人していると思うが、達郎・まりや夫妻には娘さんがいたはずで、ジャニー氏の性加害を受けてきた子たちもみんなどこかの親御さんたちの大事な子供だったはず、とか考えると、今回の「スピーチ」と同じことを達郎氏は自分の娘さんの目の前でも言えるのだろうか、とはちょっと思う。

番組で彼が流した昔の彼の曲はやはり、いい曲だった。アウトプットは素晴らしいが人としては最悪、という人は世の中に本当にたくさんいて、ああ、あの人もそうだった、この人もそうだ、と気づいて失望を重ねていくことがすなわち人生なのである、という気もする。自分もきっといろんな人から失望されているんだろう。生きていてすみません。