(2025/09/01 追記)下記の立原さんの note 記事が非公開になったタイミングでこの記事も非公開にしていたのですが、数日後に再公開されていたことに長く気づいていませんでした。(あまりエゴサーチや、自分に対する他人の言及を逐一追うことをしないので)
なので、ここも参考資料として再公開しておきます。
京都大学数理研D2の立原礼也さんという方が、4月に私が書いたIUTに関する投稿について、長文の緻密なコメントをくださった。深く感謝いたします。
流し読みはしたが、いかんせん長すぎるので、きちんとは読んでいない。というか、読めないですよね、これは。全部で約42,000字、長文を読みきれない人のためにと書いてくださった「要約」だけでも約7,600字あった。ROCKIN’ON JAPAN だって2万字インタビューがせいぜいなのに。
というわけで、時間の使い道が限られた中で読めるものではないし、「正しいことを書きさえすれば、俺様の書きたい形で3万字・4万字書いても読んでもらえるし、伝わるものである」とする態度は、申し訳ないが一種の傲慢だろうと思う。(立原さんの文章から受けるこの感覚は、望月氏の論文や文章を読んだときに受ける感覚に少し似ている。※ 個人の感想です)
部分的に回答できるところは答えてもいいのだが、悪意ある編集や切り取りを望まない旨も冒頭に書かれているので、つまみ食い的に答えることはしない。
立原さんのご専門はまさに遠アーベル幾何学とのことなので、Scholze, Stixのレポートに関して書かれている部分などは数学を専門とする方々には有用だろうと思う。
一点だけ部分的に引用させていただくが、
(様々な「想定」のうちで最も望ましいのは,中野太郎氏が,記事を撤回または修正しその旨の声明をお出しになる等,適切に反応・対応してくださることである.)
しぶんぎ社,中野太郎氏の記事「最近のIUT界隈」に関するコメント|Reiya Tachihara
という点については、具体的にここが事実誤認だというご指摘を(400字くらいまでの分量で)メールや twitter の DM 等でいただければ、適宜対応いたします。私の主観的記述の部分については、撤回・修正はあまり必要を感じていない。
私の書いたものに関する補足
「中野は IUT が間違いで Scholze & Stix が正しいと決めつけている」といった奇妙な感想をたまに見かけるが、そこは全然違う。
言うまでもなく、数学としての真偽を判断できる能力は私にはない。IUT に瑕疵があるとか、Scholze & Stix の主張が正しい、と書いたことは一度もないつもり。(と言いつつ、最近忘れっぽいので、書いている箇所があるかもしれない。あったら修正するのでご指摘ください。Max 400字くらいで…)
「IUT に瑕疵があると主張する専門家がいる」「Scholze & Stix が IUT 論文の系 3.12 にギャップがあると指摘している」「zbMATH Open で IUT 論文に Scholze が否定的なレビューを付けている」「『数理科学』『数学セミナー』が IUT を特集したことは一度もない」といったことは書いている。これらはすべて事実だからだ。
自分ができることは事実を列挙することだけだが、事実を列挙していくことで素人にも見えてくるものが何かしらある、とは考えており、その「見えてきた何か」に関しては、理系の大学院で研究生活を経験した者の一人として、自分なりの解釈を書いている(「まともな人は冷めきってる」とか「忖度しないわけがない」とか、そういう主観的記述のことです)。
それを「印象操作」などともし呼んでくださる人がいるのなら、その買いかぶりは大変嬉しいが、私のような一介の底辺ライターに印象を操作できるほどの力があるとは思っていないし、「私ごときの文章で印象を操作されて困るほど IUT とはぐらぐらしたものなのですか?」あるいは「数学の専門家でない人物が逆に『IUT は正しく Scholze & Stix は間違っている』と言いふらす印象操作については指弾しないのですか?」と尋ねたい気持ちはある。
立原さんが傑出した研究者になられることを祈っています。
Comments
“立原礼也さんからのコメント” への1件のコメント
[…] 朝の投稿に関して、私が彼の note に応対しないのは責任放棄だというようなツイートが散見されたようで、それを受けてか、note を執筆された方も暫定的に非公開にされたようである。(私の方でも、ブログの記事と彼の名前が含まれているツイートは消しました。) 2025/09/01:再公開しておきました。 […]