「Newton」2025年9月号(7/26発売)で担当させていただいた「言語の進化論」という記事が、朝日新聞デジタル版にも連載記事として掲載されています。(「Newton」が朝日新聞グループ傘下になったため、最近ではこのように一部記事の相互乗り入れが行われています。)
現在の言語の系統はどうやってできたのか、日本語の起源は何語なのか、といった話題に触れています。有料記事ですが、よろしければご覧ください。
少し前に担当編集の方から「あの記事を朝日新聞の方にも載せることになりました」と連絡をいただいて、ああそうなんだ、と思って忘れていた。asahi.com の記事のフォーマットに筆者として自分の名前が入っているのにちょっとびっくり。
担当編集の方のアイデアと、監修していただいた吉岡乾先生のおかげで、なかなか面白い記事になったと思っています。
元記事を分割して4〜5回の連載にするようなので、あと2、3回載ると思われます。
日本語の起源については、昭和の頃に国語学者の大野晋が「南インドのタミル語が起源だ」という説を唱えて、一世を風靡した。彼が書いた『日本語の起源』(岩波新書)という本を高校か大学の頃に読んで、へぇと思った記憶がある。しかし、彼はあくまでも言語学者ではなく国語学者で、彼がタミル語起源説を導いた手法も比較言語学の人たちから見るとお話にならず、言語学の世界では大野の説は評価の対象になっていないとのこと。
共通祖先があると言うためには、ただ似たような形・意味の単語が両言語にあるというだけではだめで、変化の仕方まで含めた厳密な法則性や対応関係が求められる。…というような話も記事で書いています。