NHK『映像の世紀』で見た、ニクソン政権のときのサイレント・マジョリティーの話を思い出して、録画を見返した。当時学生たちはベトナム反戦運動で盛り上がっていたが、大学生のような徴兵猶予の特権もない低所得のブルーカラー層は反戦運動に批判的で、ニクソン支持だったという話。
俺達は、自分たちがどう感じてるのか、示したかっただけさ。つまり、俺達がニクソンを支持してるってことをさ。あの金持ち連中の息子たちは、うまいことやって徴兵を逃れて、「反戦だ」なんて、やりたい放題だ。まるで自分たちが国を動かしているかのようだ。奴らが抗議する権利のあることは認める。しかし、星条旗を穢すような行為は、絶対に許すことはできない。
表向きには米国の東海岸と西海岸にある大都会からの情報ばかりが入ってくるが、米国の本質は真ん中のトウモロコシ畑しかない9割の土地にこそあって、だからトランプはあれほど支持されるのだ、というのは山田五郎チャンネルのグラント・ウッドの回でも言っていた。
報道はしばしば「報じる側の願望込み」の情報である、それは米国三大ネットワークや大新聞のような、特定の方向に偏向させることが難しそうな大規模なメディアにおいてすらそうである、というのは改めて実感した。