選挙

自分は都民ではないので傍観しているが、カオス的様相を呈していて大変だなぁと思っている。まさに衆愚政。

選挙ポスターでなぜ公序良俗に反する画像を使ったりポスター枠を転売したりできるのかが不思議だったが、調べてみると確かに、ポスターに関する規程はザルというか、性善説運用のような雰囲気がある。

掲示場に貼る「選挙運動ポスター」の具体的な様式や制限については、もし定めるとすれば公職選挙法のレベルではなく、各自治体の選管が決める選挙執行規程の中で定めるべきもののようである。だが、実際には大したルールがない。

例えば東京都の選挙執行規程を見ると、選挙公報の掲載文に関しては、使える文字の種類や大きさ、品位保持の規定など、わりと細かくルールがある(第53〜68条)。一方、ポスターに関しては証紙や掲示場に関する規定しかない(第35〜39条)。

このアンバランスの原因はよく分からないが、選挙公報は選管の発行物であるのに対して、ポスターに関しては選管は掲示場を用意するだけなので、証紙さえ貼れば内容には介入しないという思想なのかもしれない。あるいは、選挙公報では過去にいろいろな輩が出たので規定が整っている一方、ポスターではこれまであまりバカをやる輩がいなかったのでユルいままということなのかも。

何にせよ、選挙制度は民主主義国家の根幹をなすシステムなので、近年の「N」や「つ」が付くポピュリズム政党のように、性善説ベースの選挙システムの脆弱性を突いていろいろやる団体については、「民主主義という価値そのものへの挑戦」ということで、公安にちゃんと掃除してほしい気もする。

公安調査庁のwebサイトには「最近の内外情勢」というページがあって、地味に更新が続けられている。これを見ると、公安調査庁の関心が今どこにあるかが何となく分かる。

国内に限れば、登場するのは基本的には右翼団体・極左暴力集団・日本共産党・オウム真理教という感じで、「N」や「つ」に関して今のところ言及はない。共産党以外の政党・政治団体に関しては、2023年10月の内外情勢に以下の記述がある。

10月8日(日)右派系グループが、「反移民デー」と称して、「移民政策反対」を訴えるデモ行進などを実施(東京・石川など)。

右翼の場合、普通は「右翼団体が、…」という主語で書かれるので、「右派系グループが」と書かれているのは珍しいな、と思ってこの件を調べると、「日」が付く自称政党が主催したデモだったらしい。わざわざ言及したということは、公調はこの団体の動向をそれなりの関心を持って見ているということかもしれない。この団体の代表は今回の都知事選にも立候補している。

全然関係ないが、読売新聞の候補者リストで蓮舫が「蓮 舫」と分かち書きされていて、ちょっと面白かった。

この人のフルネームは「齊藤蓮舫」または「謝蓮舫」なので、「蓮」は名字ではない。都選管の候補者一覧では氏名は分かち書きされていない。