物理学賞

まさかの機械学習が受賞。計算機科学じゃん。

John Hopfield、Geoffrey Hinton が受賞。受賞理由は「人工ニューラルネットワークによる機械学習を可能にした基礎的発見・発明に対して」。現代の生成AIなどの基礎を作った研究。

「これ物理学かよ」と言われることは委員会も十分承知で、プレスリリースでは「彼らは『物理学で』人工ニューラルネットワークの学習をおこなった」とタイトルの段階から強調している。

ホップフィールドネットワークが原子のスピン系を模したモデルであることや、Hinton のボルツマンマシンなど、基礎には統計物理学の考え方が使われているし、素粒子物理や天体物理でも機械学習は応用されているし、十分に物理学賞じゃ、ということのようだ。まあまあまあうんうん。世界を変えた発明発見であることは疑いがない。

アルフレッド・ノーベルが遺言した時代とは科学も様変わりしているので、こういうことになっていくのは時代の流れだろう。ただ、ここまで賞の対象が広がってくると予想はますます難しい。

まあ Hopfield は物理だろ、とは奥村先生がおっしゃっている。

Hopfield は2001年に Dirac Medal、2019年に Franklin Medal (Physics) をもらっている。

数日前の自分曰く:

世界を変えたという意味では昨今の Transformer ベースの AI なども大きいが、そこまでいくと、もはや全く物理ではないただの情報科学なので、さすがにないだろう。AI に出すならインターネットの発明にも出さないと不公平だろう。

まさか来るとは思わんかったよ…。でもマジで、これがありなら Tim Berners-Lee とかにもあげてよ、とは思う。彼が WWW を作ったのは CERN だし。