校正仕事で読んだ本で「普通の年には12個、閏年には13個供える」という話を知り、へーと思った。ここで言う「閏年」は今の閏年ではなく、旧暦の閏年(閏月が入って13か月になる年)のことだろう。
しかし、よく絵で見かけるように団子を山のように積み上げるとすると、12個や13個は無理な気がする。
三角錐にする場合は 1+3+6+10+… 、四角錐だと1+4+9+16+… となり、どちらの場合も12個・13個は作れない。
底面を六角形にしても、1+3+7 = 11個にしかならない。
てっぺんを1個にするという条件を諦めれば、四角錐台にして 4+9 = 13 はできるが、ちょっとダサい。12個はどうやっても無理っぽい。
実例を探すと、All About に詳しい記事があった。
十五夜には、十五にちなんで15個お供えします。また、1年の満月の数にあわせて12個(閏年には13個)、15を簡略して5個にする場合もあります。十三夜には13個または3個です。
「月見団子」の並べ方とは? 十五夜や十三夜にお供えする理由・積み方・数・レシピ [暮らしの歳時記] All About
■15個の場合
1段目に9個(3×3)、2段目に4個(2×2)、3段目に2個を盛ります。3段目の2個は、神事では正面からみて縦に2個並べます。横に2個並べると仏事になります。
■13個の場合
1段目に9個(3×3)、2段目に4個(2×2)並べます。
■12個の場合
1段目に9個(3×3)、2段目に3個並べます。
■5個の場合
1段目に4個(2×2)、2段目に1個です。
「十五夜は15個」という新説が出てきてしまった。15個の積み方は「3×3, 2×2の上に2個積む」だという。2個積む?
いや、最上段はお団子の粘着力頼みじゃん。
13個の場合はやはり、3×3の上に2×2にするしかないようだ。あるいは粘着力を使ってよいのであれば、1 + 2×2 + 3×3 の最下段の 3×3 から真ん中の1個を抜いて8個にすれば、計13個にできる。
12個の場合は「3×3の上に3個並べる」とのことだが、どういう状況だろう。3×3の上に積める凹みは4か所あるので、非対称にならざるを得ない。
いや、お団子の粘着力をフルに駆使して、こうなのかもしれない。
特定の角度から見れば3段のお山に見える。書き割りみたいだが。
笑。
これだったら、上に何も乗っていない両端の2個を1段上に乗っけて、「3個でできた正三角形・6個でできた正三角形・3個でできた正三角形」という3枚の書き割りを並べて計12個とする方がましかもしれない。いずれにしろ団子の粘着力頼みだが。
宮中祭祀の有職故実とかには、こういうのの積み方も決められているのかもしれない。